車一括査定

車一括査定サイトはトラブル多数?知っておくべきメリットとデメリット

車を売却するときは、ディーラーや買取専門店で直接査定をしてもらうのではなく、一括査定サイトを利用すると、相場よりも高値で売れると言われています。一方でそのようなサイトを利用するとトラブルにつながりやすいという話もあります。そこでこの記事を読んでいる人は、こんな疑問を抱えているのではないでしょうか?

  • 一括査定を利用するとどんなトラブルがあるの?
  • 査定額はどうやって決まるの?
  • トラブルを回避しながら高値で売る方法を知りたい

ここではそんな疑問や要望に答えるために、一括査定サイトのトラブル内容と、その回避方法についてご紹介します。これから車を売る人が読んでおけば、ストレスなく高額での買い取りをしてもらうことが出来るようになります。

車一括査定は複数の買取店に依頼ができるサービス

インターネットやCMなどで「高く売るなら◯◯」といった、車の一括査定サイトの広告を目にしたことありますよね。ラジオCMなどでも頻繁にCMが流れています。車の一括査定を簡単に説明すると「複数の買取業者にまとめて査定依頼できるサービス」です。

このサービスを利用するメリットとして、下記のようなものが挙げられます。

車一括査定のメリット
  • ディーラーの下取りや単独での買い取りよりも高値で売れやすい
  • 業者主導で動いてくれるのでスピーディーに売却できる

車を売りたいと思ったとき、売却先としてどこを思い浮かべるでしょう?新車を購入する場合はディーラーの下取り、中古車への買い替えや車を手放すだけなら、ガリバーやアップルのような買取専門店といったところかもしれません。

いずれもお手軽な売却方法ですが、最初から売却先を決めてしまうと損をする可能性があります。ディーラーにしても買取専門店にしても、1円でも安く引き取りたいというのが本音で、いろいろな理由をつけて買い叩こうとします。

これを回避するためには、複数の買取業者に査定をしてもらい、相見積もりの形にする必要があります。買取業者同士で競い合ってくれると買い叩かれるどころか、相場以上の金額を引き出すことが出来ます。

ところが、複数の買取業者に査定をしてもらうのはとても手間がかかります。複数の買取店に査定をしてもらうには、買取業者ごとに車の情報や個人情報を入力しなくてはいけません。ほとんどの人が、2〜3社くらい入力したら「もういいや」という気分になってしまいます。

でも相見積もりの状態にするなら、4〜5社くらいは査定を受けたいところ。1円でも高く売りたいなら10社くらいに査定してもらうのが理想です。でもそれはとても大変ですよね。車の一括査定サイトなら、そんな大変な入力作業を1回するだけで複数の業者が査定をしてくれます。

買取業者は、一括査定サイト経由での依頼だと、相見積もりの状態になっていることを最初から把握しています。その結果、買い叩くことなく自社の出せる限界の価格を提示してくれます。

さらに、どの買取業者も自社で買い取りをしたいため、積極的に交渉を進めようとします。申し込みをするとすぐにセールスマンから電話があり、出張査定もしくは持ち込み査定のスケジュールが決まります。場合によってはその日のうちに査定が終わり、すぐに売却できるくらいスピーディーに動いてくれます。

ところが、この積極的な姿勢がトラブルに繋がる可能性があります。どのようなトラブルが起きるのか、次章で詳しく見ていきましょう。

メリットばかりではない!一括査定のトラブル

車の一括査定で利用者を悩ませるトラブルは次の1点です。

車一括査定で起きるトラブル
  • 電話が鳴り止まない

インターネット上で利用者の評判を調べると、「申込みをして数分後から電話が鳴り止まなかった」というデメリットを挙げている口コミがいくつも見つかります。申し込みをしたあとに、用事があって電話に出られなかったら、20件近い着信履歴が残っていたという人もいます。

Twitterにも、このような口コミが数多く投稿されています。

なぜこんなことが起きるのでしょう?次章では電話が鳴り止まない理由について、詳しく説明します。

なぜこれだけ電話がかかってくるのか

迷惑とも思えるほど頻繁に掛かってくる買取業者からの電話。なぜこれほど多くの電話が掛かってくるのでしょう?その理由について説明します。主な理由は以下の3点です。

車一括査定で電話が多い理由
  1. 実際の車を見て査定をする必要があるため
  2. 他社に取られる前に実車の査定をしたい
  3. セールスマンの給料に影響するため

実際の車を見て査定をする必要があるため

中古車の買取価格は、車種や年式などの情報があればある程度は決定できます。ただし、実際に車を見て状態を確認してから出ないと、最終的な査定額を決めることができません。事故歴がある車は買い取れないケースもあります。傷や凹み、消耗なども実車を見てみないと分かりません。

このため車の情報をもらった次の段階として、出張査定や持ち込み査定を行います。査定依頼後に電話をしてくるのはそのスケジュールを決めるためです。「今から訪問して大丈夫でしょうか?」「どの日なら出張査定できますか?」などのアポイントを取るために、電話をしてきます。

他社に取られる前に実車の査定をしたい

一括査定を使っているということは、複数の業者に査定依頼が届いています。もし他社が先に連絡をして買取が決まってしまうと、自分たちはノーチャンスということになります。そうならないためにも、最低でも出張査定や持ち込み査定の約束だけはしておかなくてはいけません。

さらに1番最初に連絡をした買取業者と契約をすることが多いため、どこも急いで電話をしてきます。時間が経てば経つほど不利になりますので、つながるまでは何度も連絡をしてきます。業者によってはオートコールシステムというものを採用しており、申込みがあった電話番号に自動で電話をかけるケースもあります。申し込み数秒後に電話がかかってくるのはこのためです。

セールスマンの給料に影響するため

買取業者のセールスマンの給料は「基本給+歩合制」になっているところがほとんど。自分の給料を上げるには、1台でも多く買い取りをする必要があります。このため電話が繋がらなかったくらいのことで引き下がるわけにはいきません。

自分の生活がかかっていますので、他社に決まりかけているのを奪い取るような強引なことをしてくるセールスマンもいます。とにかく売ってもらわないことには、自分も会社も生き残っていけません。実際に会って交渉するための土俵に上がらなければ、比較対象にもなれません。

電話が鳴り止まない最大の理由はここにあります。上司からも「簡単に諦めるな」と指示されていますので、アポイントを取るまでは電話は鳴り止みません。電話が多いのは非常にデメリットではありますが、利用するだけで査定額が数十万円変わるというのも事実。最低限の電話応対で済むように、次章からは車一括査定をストレスなく使う方法について紹介していきます。

一括査定サイトに登録した後の流れ

買取業者からの電話がある理由として、出張査定や持ち込み査定のアポイントを取るためと説明しました。「車の買い取りはネットだけで完結しないの?」そう思っている人もいるかもしれませんので、ここでは一括査定サイトを利用したとき、どのような流れになるのか説明します。

車一括査定を利用した流れ
  1. 一括査定サイトで車の情報と個人情報を入力
  2. 買取業者から電話・査定日の決定
  3. 出張査定もしくは持ち込み査定
  4. それぞれの査定額を比較・売却先の決定
  5. 契約・引き取り

買取業者の電話や出張査定、持ち込み査定は査定を依頼した業者の数だけ行います。もし10社に査定してもらうのであれば、10回は実車をチェックしてもらうことになります。1社につき1時間弱かかりますので、10社なら10時間必要です。ただし、買取業者がOKすれば同じ時間にまとめて査定してもらうこともできます。

次に、それぞれの買取業者が出してきた査定額を比較して、どこに売却するかを決めますが、業者によっては自社で買い取るための交渉をしてくることもあります。「即決なら◯万円上乗せします」「他社の査定額よりも◯万円プラスして買い取りします」と持ちかけられることもあります。

一括査定をする場合は、この交渉に乗るのはあまりおすすめできません。自社の査定に自信があるなら、査定額で勝負できるはずですが、それができないから交渉をしてきます。電話で出張査定などのスケジュールを決めるときに、「交渉はしません。金額が一番高いところに売ります」と伝えておきましょう。

また、電話連絡があったところで、暫定の査定額を教えてくれることもありますが、実際の買取額は変わってくるのが普通です。その理由について次章で説明します。

一括査定を使っても最終的な査定額は対面で決まる

査定依頼をしたあとの電話で「50万〜70万円くらいです」と、おおよその査定額を教えてくれることもありますが、実際に査定してみるとこれよりも大幅減額されることもあります。その理由についてはすでに説明しましたように、実車の状態によって最低額が変わってくるためです。

電話で査定額を教えてくれる業者と、そうでない業者があります。前者はその金額によって出張査定などのアポイントを取りやすくするために金額を提示します。このため、「この金額で売れるなら」というような高値を伝えます。

ここで「1円にもなりません」なんて言われたら、出張査定を断りますよね。このため、とにかく会って交渉できる状態を作るために、高値を提示することもあります。実際に車を見て「状態が良くないので減額になります」と減額の理由はいくらでもつけることができます。

もちろんそんな悪徳業者ばかりではありません。現実問題として、車の状態は1台1台すべて違いますので、確認しなければ買取額を決めることはできません。売る側として覚えておきたいのは、電話で提示された額はあまり意味がないということです。あくまでも目安だと考えておきましょう。

また、電話で査定額を言わない業者もありますが、それは必要以上に期待させないためでもあります。実際の査定額が電話で伝えた額よりも低かった場合、それは満足度の低下につながります。口コミなどもネガティブなものになってしまいますので、車を見ていない状態での査定を避けるようにしています。

「車を見ていないとわからない」というのは、決しておかしいことを言っているわけではありません。むしろ誠実な買取業者である可能性もありますので、実車の査定対象から外さないようにしてください。

次章では、これに基づいた「ストレスなく車一括査定を活用する方法」についてお伝えしていきます。

ストレスなく高値で売るための一括査定活用方法

ここまで説明した内容を踏まえて、ストレスなく愛車を高値で売るための一括査定活用方法をご紹介します。トラブルになることなく、満足できる価格を提示してもらうために何をすればいいのか、しっかりチェックしておきましょう。
先に結論をお伝えすると、以下の4つがポイントになります。

ストレスなく車一括査定を使う4つのポイント
  1. 電話にはすぐ出る
  2. 査定業者数は4社程度にしておく
  3. 買取業者とは交渉しない
  4. 断るときははっきりと伝える

本章では、この3つのポイントが具体的にどういうことか、詳しく説明していきます。

電話にはすぐ出る

まず重要なのは、電話にはすぐに出るということです。業者にしてみれば「査定して欲しい」という依頼を受けているわけですから、電話がつながるまで何度でもかけ直してきます。電話の数が多くなって面倒くさくなり、そのまま放置をする人がいますが、これは絶対にNGです。

査定の申込みをするときには、そのあと1〜2時間は電話対応できる状態にしておきましょう。仕事の休憩時間などに申し込みをすると、仕事中にずっと電話が鳴り続けます。1社の対応するだけでも10分近くはかかると考えて、それだけの時間を確保しておきましょう。

査定業者数は4社程度にしておく

たくさんの業者に査定してもらえば、それだけ買取価格が高くなる可能性があります。ただし、それだけの業者とやり取りをしなくてはいけませんので、手間と時間がかかります。その割に、どこも同じような値段しか提示してくれなかったりするものです。

中古車の販売価格相場がありますので、自社の利益を考えると買取額を高くするにしても、どうしても限界があります。一括査定では相見積もりの形にすることで、各社の限界額を引き出すことがポイントですので、3〜4社が競い合ってくれるだけで十分です。

査定をお願いするのは、3〜4社程度におさえておき、その中で最高額を提示してくれた業者に買い取りしてもらいましょう。

買取業者とは交渉しない

「即決なら◯万円上乗せします」このような言葉には乗らないようにしましょう。買取業者は交渉のプロです。買取価格相場が100万円なのに、最初に80万円と提示して「即決なら10万円上乗せします」なんてことを平気で言います。得した気分になりますが、実は10万円損していますよね。

相手は百戦錬磨のセールスマンです。交渉でなんとか高値で売ろうとするのではなく、あくまでも相見積もりで高値を引き出すようにしましょう。また、買取業者の言葉にだまされないようにするために、事前に買取価格相場を調べておくことをおすすめします。

断るときははっきりと伝える

断るときにはっきりと「他社に決めました」と伝えるようにしましょう。できればこちらからお断りの電話をするのが理想です。優柔不断な態度でいると、相手も期待して何度も電話を掛けてきます。この業者には売らないと決めたら、はっきりと断ってください。

一括査定で紹介されたどの業者にも売りたくないと思ったときには、一括査定サイトからキャンセルしてください。そうすると、すべての業者に買い取りする権利がなくなります。「キャンセルした」と伝えれば、それ以降電話は掛かってこなくなります。

これだけ実践すれば、面倒な電話応対も最低限で済みます。ストレスもなく車が数十万円も高く売れるという、メリットだけが残る状態になります。

まとめ

車の一括査定について、そのメリットやデメリット、そして利用するときのポイントを説明してきました。ディーラーでの下取りや、買取専門店への直接売却を考えていた人も、少しは興味が出てきたのではないでしょうか。

  • 電話対応が大変だけど高値で売れる
  • 査定依頼から契約までスムーズだけど安値になりやすい

この2点でどちらを選ぶか。シンプルに考えればこれだけのことです。あまりお金に固執しないのであれば、ディーラーや買取専門店など1社で売却を進めるのがおすすめです。1万円でも2万円でも高く売りたいのであれば、一括査定を活用してください。

電話対応が大変と言っても、ここでご紹介した内容をきちんと把握しておけば、トラブルを回避しながら高値を引き出すことができます。買取業者との交渉や駆け引きは避けて、「最も高い額を提示してくれたところに売る」というスタンスで査定を進めてください。

毅然とした態度を示すことで、必要以上に電話が掛かってくることもなくなります。それでも多少はストレスに感じることもあると思いますので、そのストレスを減らすために、できるだけ短期間で申し込みから売却までを行ってください。それさえ気をつければ、一括査定だからこその高値で満足度の高い買い取りをしてもらえます。