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事故車は修理と買い替えどっちがお得?

車が事故にあったとき、修理するのか買い替えするのか迷いますよね。数万円程度の出費で済むなら直してしまえばいいのですが、事故車の状態によっては何十万円も費用がかかることがあります。そうなってくると新しく買い直したほうがいいような気がします。

  • 事故車は修理と買い替えどっちが得?
  • 車を直すならどこですればいい?
  • 修理と買い替えの判断基準はどこにあるの?

ここではそんな疑問を解決するために、事故車の取り扱いについて詳しくご紹介します。事故にあった車を修理すべきか買い替えるべきかで悩んでいる人がこの記事を読むことで、どちらがお得なのか自分で判断できるようになります。

事故車は修理と買い替えどっちが得?

事故車は直して乗り続けるべきか、それとも買い替えるべきか。とても悩ましい問題ですが、残念ながら誰にでも共通する正解というものはありません。どちらがいいかというのは、車の状態にもよりますし、家計の状況によっても違います。

同じ状態の車であっても、ある人は修理のほうが適しているのに、別の人は買い替えした方がいいというようなケースもあります。

ただし、ケースごとにどちらを選んだほうがいいのかという判断ならできます。明らかに新しく車を買い直したほうがいいという状態や、これくらいなら数万円で元通りになるよというような状態があります。大事なのはそれを見極めて判断することです。

とはいえ、その見極めが難しいから困っているのかと思います。どちらがいいのか判断できないという人のために、それぞれどのようなケースが適しているのか説明します。

修理がオススメのケース

修理を選ぶポイントは、あまりお金を掛けずに直すことができるかどうかという点と、乗り続けても安全なのかどうかという点にあります。具体的には下記の3つのケースに該当する場合には、直して乗り続けるほうがお得です。

買い替えより修理がオススメの3つのケース
  • 安価な部品交換で元に戻るケース
  • 乗り続けても安全だと判断されたケース
  • 保険で直すことができるケース

それぞれにケースについて詳しく説明していきます。

安価な部品交換で元に戻るケース

事故車といっても、大破しているわけでなくライト部の破損やバンパーが凹んだだけなら、簡単に直すことができます。車の部品のほとんどが交換可能ですので、バンパーが凹んでいても交換してしまえば新品同様の状態に戻ります。

部品によっては交換費用も含めて数万円で直すことができますし、中古部品も流通していますので、人気車種ならあまりお金を掛けずに修理できます。数万円で元に戻るのであれば、明らかにそのほうがお得ですよね。車は中古車でも数十万円しますので桁が1つ以上違います。

ただし、壊れた部品によっては思った以上の金額になることもあります。特に外車の場合は取り寄せも含めて数十万円かかるということもありますので、最初から部品交換だと決めるのではなく、きちんと見積もりをしてもらって、どうするのかを判断しましょう。

乗り続けても安全だと判断されたケース

事故車をチェックしてもらって、走行上の問題もなく、なおかつ安全性も低下していないのであれば、新しい車に乗り換える必要はありません。車のボディなどはショックを吸収するために壊れやすく出来ています。このため見た目ほどに車にダメージがないこともあります。

ですので、業者に確認してもらい、問題ないというお墨付きを貰えるのであれば直して乗り続けましょう。気をつけたいのは自分で安易に判断しないということです。バンパーが歪んだだけだと思っていたらフレームが曲がっていたなんてこともあります。

ボディ同様にフレームも意図的に変形しやすくすることで、運転手の安全を守っています。このため、意外と簡単に変形してしまいます。大丈夫だと思ってそのまま乗り続けたら、ある日突然操作不能になることもありますので、必ず専門家にチェックしてもらいましょう。

車両保険で直すことができるケース

自損事故でも、もらい事故でも車は車両保険で直すことができます。そのための保険ですので使わないと損ですよね。ただし修理費用をすべて保険でまかなえるかというと、必ずしもそうだとは言えません。車には時価がありその金額を超えた費用は自分持ちになります。

  • 修理代:50万円
  • 保険で使える金額:40万円

上のケースでは自分で10万円払って直すことになります。ただしこれがもらい事故の場合は、40万円は相手が出しますので、10万円分を自分の車両保険を使って補填することもできます。

気をつけたいのは車両保険を使うことで等級が下がるということです。車両保険には1〜20の等級があり、修理に車両保険を適用すると事故の種類によって最大3等級下がってしまいます。等級が下がると保険料は上がりますので、結果的に損をすることもあります。

保険を使ったほうがいいのかどうか迷うときには、業者に相談してみましょう。業者はこれまで様々なケースの対応をしていますので、どれくらいの費用がかかるかを考慮して、どうするのがお得なのか判断してくれます。

また、保険会社に直接聞いてみることもオススメです。保険を使うべきかどうか、正直に教えてくれます。

修理をするデメリット

事故車を直すと決めたときに、ひとつだけ頭に入れておいてもらいたいことがあります。それは故障箇所によっては車の価値が下がるということです。バンパーやミラーなどを交換しても車の価値は下がりませんが、フレームを直した場合には修復歴車として価値が下がります。

中古車として売却するときに、大幅に買取価格が下がるということを覚えておきましょう。ただし、そのままにしていても価値はすでに下がっていますので、そういうことがあるとだけ知っておくだけでかまいません。

直ったんだから価値が下がるのを理不尽に思うかもしれませんが、フレームを修理するような事故の場合は他にも不具合がある可能性も考えられるため、中古車市場でのニーズがほとんどありません。このため買い取りに出しても思ったような値段がつかないということだけは覚悟しておきましょう。

買い替えの方がいいケース

買い替えの方がいいケースというのは修理すると損をする場合です。単純に費用が高くなりすぎる場合や、安全性に問題がある場合は迷わず買い替えです。具体的には次のようなケースが該当します。

修理より買い替えの方がいい3つのケース
  • 事故での破損が広範囲であるケース
  • 乗り続けると危険なケース
  • 車両保険を使っても自己負担額が多いケース

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

事故での破損が広範囲であるケース

事故によって破損した部品が1つなら交換費用もそれほど高くありませんが、大きくぶつけてしまった場合には、何箇所も交換や補修をしなくてはいけません。バンパーやドアの擦り傷、ミラーの破損などいくつも直す場合は、費用がどうしても高額になってしまいます。

ドアとバンパーの交換、さらに凹みの修理を依頼すると、車種によっては50万円を軽く超えて100万円近くなることもあります。100万円もあれば軽自動車を新車で購入できますし、場合によっては同程度の車を中古車で買えてしまいます。

破損範囲が広くて、費用があまりにも高額になる場合には買い替えの方が絶対にお得です。まずは同程度の中古車がいくらで買えるのかを調べて、費用がそれ以上になるなら新しい車に乗り換えましょう。

乗り続けると危険なケース

整備工場で調べてもらって「乗り続けるのは危険」と言われたら、それはもう選択肢は買い替えしかありません。フレームが歪んでまっすぐ走らないという場合や、いつ大破してもおかしくないという状態になった場合に乗り続ける理由はありません。

もちろん腕のいいエンジニアならそれでも直してしまいますが、安全性は間違いなくこれまでよりも下がります。ここで出費をケチって乗り続けてまた事故を起こしたら、大ケガをする可能性もありますし、それ以上の大事になるかもしれません。命がけで危険な車に乗り続ける必要はありません。

ただ、車の販売も行っている工場ですと買い替えを促すために、そう言っているのかもしれませんよね。実はまだ乗れるのに危ないと言って車を売りつけようとしている。そういう不安がある場合には、他の工場でも安全性の確認をしてもらいましょう。

車両保険を使っても自己負担額が多いケース

車両保険で費用のすべてを補填できるわけでないことは、すでに説明した通りです。現時点での車の価値以上の費用は出してもらえませんので、長く乗っている車などは価値がとても下がってしまい、費用の一部にしかならないことがあります。

さらに車両保険には免責がありますので、契約内容と車の状態によっては保険に加入しているにも関わらず、保険金がほとんど出ないというようなこともあります。

もちろん、それでも修理したほうが安いのであればそちらを選ぶという選択肢もありますが、そこまで価値が下がっている古い車を直しても、今度は別の原因で故障する可能性があります。せっかく何十万円もかけて直したのに、故障してまた出費があったのでは困りますよね。

車の状態をきちんと見極めて、目先の出費だけでなく、将来的にも出費が発生しそうなのであれば、買い替えを選ぶようにしましょう。

修理ならどこでするのがオススメ?

車の修理ができるのは、ディーラー・中古車販売店・整備工場・板金屋などがあります。それぞれにメリットがありますので、どのような特徴があるのか簡単に説明していきます。

カーディーラーは確実だが高い

カーディーラーで車を購入した人は、事故に限らず車に何かあったときにはカーディーラーに持ち込んで見てもらいますよね。メーカー系列ですので、トラブルになるようなこともなく、技術も高いため安心して依頼できます。

ただし人件費が高く、部品交換をする場合には新品の純正部品を使うため、どうしても費用が高額になります。普段から車検やオイル交換などで利用している人に適していますが、安く直したい人には不向きです。

中古車販売店は安いが当たり外れがある

中古車販売店でも事故車の修理ができます。ただし店舗ごとに費用に大きなばらつきがあり、技術レベルも一定ではありません。費用を抑えたいと伝えておけば、中古部品を使うなど、安く済ませる方法を提案してもらえます。

普段から付き合いのあるお店の人にお願いできるという安心感はありますが、その技術レベルをきちんと見極める必要があります。自社工場の有無をひとつの判断基準にしましょう。自社工場を持っている店舗なら安心して任せることができます。

保険会社提携の整備工場は保険修理ならオススメ

保険を使って直すのであれば、保険会社提携の整備工場も選択肢に入れておきましょう。提携整備工場を利用すれば、代車を無料で貸してもらえ、費用の割引を受けられることもあります。保険の支払いもスムーズに行われます。

保険会社が提携するくらいですから、技術レベルもかなり高く、さらにそもそもの料金が安いというメリットもあります。ディーラーや中古車販売店にこだわりがないのであれば、保険会社が提携する整備工場も選択肢の1つに入れておきましょう。

板金屋は当たり外れが大きい

車の損傷具合がそれほどひどくなく、ボディに傷やへこみができただけなら板金屋に持ち込むという方法もあります。部品交換することなくボディを修復するため、費用を安く抑えることができます。ただし、職人さんによって技術レベルに差があり、思ったほどきれいに仕上がらないケースもあります。

次章では、修理するか買い換えるか迷った際に、どういう基準で判断すればいいのかを詳しく説明していきます。

保険や修理代金の負担割合などで決めよう

事故車は修理するかそれとも買い替えするか、その基準は理解出来たかと思います。それでは具体的にどのように決めればいいのか、その判断方法を説明します。

修理か買い替えを判断する4つの基準
  1. 安全性を確保できるかどうかを業者に確認してもらう
  2. 直して乗れるのであれば見積もりを出してもらう
  3. 自己負担額がいくらになるか保険会社に算出してもらう
  4. 修理した場合にかかる費用と車購入費用を比較して決める

大前提としては、安全に乗り続けることができることです。判断は専門家に任せるのが1番ですが、基本的にはフレームに問題があるかどうかで決めてください。フレームの変形などがないのであれば修理を検討しましょう。

次に修理と買い替えでの出費額を比較します。保険会社に自己負担額の計算と今後3年間で保険料をいくら多く払うことになるのかを計算してもらい、その金額と車購入費用を比べましょう。その差額がそれほど多くないのであれば買い替えがおすすめです。

事故車を買い替えるなら廃車より買取がお得

買い替えを決めたら、事故車を処分しなくてはいけません。おそらくディーラーでも中古車販売店でも「うちで購入してくれれば、事故車は無料で廃車しますよ」と言ってくれます。廃車費用を払わなくていいなら、とてもお得な気がしますよね。

でも実はそれ、損をしていることがほとんどです。なぜなら、事故車とはいえ直すことでまだ乗ることができるわけですから、それだけの価値があるわけです。事故車でもボディがへこんだくらいなら、修理歴車にならないため、板金塗装をすることで普通の中古車として売ることもできます。

ですので、事故車だからといってすぐに廃車するのではなく、買い取りしてもらうようにしましょう。ただし、ディーラーや中古車販売店では買い取りしてくれませんので、買取専門店で査定してもらいましょう。

事故車でも買取してもらえる4つの理由

本当に事故車を買い取りしてもらえるのか、疑問に感じている人もいるかもしれません。でも、フレームごと大破した車でも値段が付きます。その理由として以下の4つが挙げられます。

事故車でも買取してもらえる4つの理由
  • 直せば再販できる
  • 事故車であっても海外で売れる
  • 部品取り車としての価値がある
  • 鉄スクラップとして数万円の価値がある

この4点が事故車でも買い取りしてもらえる理由です。

大破したのでなければ、カーナビやホイール、サスペンションなどまだまだ使える部品もありますので、修理用パーツとしてのニーズがあります。もちろん直して売れば数十万円で売れますので、そんな車を廃車するのはもったいないですよね。

さらに車は鉄でできていますので、部品取り車にもならなくても鉄としての価値があります。鉄は限りある資源ですので、ほぼ100%再利用されます。このため、車として機能していなくても値段が付くというわけです。

事故車の処分で困ったら、廃車をお願いする前に、どれくらいで売れるのか買取専門店で査定してもらいましょう。

まとめ

事故車は修理して乗り続けるべきなのか、それとも買い替えするべきなのかについて説明してきましたが、自分の車をどうすればいいのか決めることができたでしょうか?最後に重要なポイントをまとめておきます。

この記事のまとめ
  • 車の状態によってどちらが適しているかは違う
  • 安全を確保できないなら買い替える
  • それぞれの出費を比較して少ないほうを選ぶ
  • 車両保険を使うと保険料がアップする
  • 買い替えの場合は車の売却費用も考慮する

車の状態によって、修理と買い替えのどちらがいいのかは違います。このため、最初の判断としては直したあとの安全性の確保を基準に考えましょう。フレームなどが変形しているようであれば、安全性が低下していますので、乗り続けるのはおすすめしません。

フレームに問題がないのであれば、どちらのほうが出費を抑えられるかで判断しましょう。修理費用と購入費用だけを比較すると直したほうが安くなりますが、保険を使うと保険料がアップします。反対に購入時に廃車せずに買い取りをしてもらえば、実質の購入費用を下げられます。

表面的な出費だけで判断すると、実は損をしていたなんてことになります。きちんとトータルの出費を算出して、総合的に判断しましょう。