車査定・買取

車買取にかかる手数料と費用の実態

車を売ろうとしたときに車買取専門店などをチェックしていると「無料査定」「手数料無料」というような言葉が目に入ってきます。本当にお金がかからないのであれば嬉しいのですが、実は裏があるのではないかと不安になりますよね。

  • 本当に手数料や査定が無料になるの?
  • そもそもどんな費用が発生する?
  • 車買取専門店はなぜ査定や手続きを無料にできるの?

ここではそんな疑問を解決するために、車買取にかかる手数料や費用についてご紹介しながら、なぜ無料で査定や手続きができるのかについて詳しく説明します。これから車の売却を考えている人が読むことで、査定依頼をするときの不安が解消し、気持ちに余裕をもって査定を受けられるようになります。

車買取にかかる手数料や費用って何がある?

車買取では買取金額ばかりが注目されて、そこで発生する手数料や費用についてはあまり語られることがありません。査定をしてもらうわけですから人が動きますし、名義変更などの書類上の手続きもすべて任せていますので、様々な部分でお金がかかっています。

ここではまず、車買取でどのような手数料や費用が必要になるのかをご紹介します。

【手数料が発生するもの】
  • 査定費
  • 出張費(出張買取の場合)
  • 車の輸送費(出張買取の場合)
  • 名義変更費用と代行手続費用
  • 収入印紙代
【費用が発生するもの】
  • 印鑑登録証明書の発行費用
  • その他書類の発行費用

思った以上にお金がかかりますよね。それぞれの費用について、どれくらいかかるものなのか簡単に見ていきましょう。

査定費

車にどれくらいの価値があるのかを調べるために査定を行います。これをしないと買取ができないため手数料として考えるかどうかは判断が難しいところですが、実際に査定員が時間をかけて調べますので、どちらが負担すべきかというのは別として、そこに費用が発生しています。

査定時間は40分から1時間ですので、1人工8,000円で考えると、5,000〜8,000円くらいかかります。(※1人工8,000円は仮の金額で買取店によって実際の単価は違います)

出張費(出張買取の場合)

出張買取の場合には、査定員が現地に行くための出張費が発生します。出張すると移動時間が拘束時間になりますので、それに対する費用がかかります。さらには移動するための交通費としてガソリン代もかかり、これらを加えたものが出張費として請求されます。

出張費は移動距離にもよりますが、片道30分だとすると1人工で8,000円、ガソリン代は100〜200円くらいですので、8200円くらいかかる計算になります。

車の輸送費(出張買取の場合)

持込の場合には輸送費がかかりませんが、出張買取の場合には車を店舗まで輸送するのにお金がかかります。車検が切れている場合にはレッカー車、車検が残っていても車を運転するドライバーの人件費がいります。

車検が残っている場合は1人工分の8,000円、車検切れしているときのレッカー代は8,000〜30,000円が手数料として発生します。

名義変更費用と代行手続費用

車を売る場合には持ち主が変わりますので名義変更をしなくてはいけません。この名義変更にかかる費用が5000円程度かかります。さらにその代行手続費用として10,000〜30,000円くらい掛かりますので、合わせて15,000〜35,000円も必要です。

印鑑登録証明書の発行費用

車を引き渡すときに必要な書類のひとつが印鑑登録証明書で、自分で用意しなくてはいけません。市役所などで300円の発行手数料を支払い、書類を出してもらいます。

その他書類の発行費用

もし自動車検査証(車検証)に記載の氏名や住所が印鑑登録証明書のものと一致しない場合は、住民票や戸籍の附票、戸籍謄本などを発行します。また、自動車検査証や自動車納税証明書などの必要書類を紛失している場合には、再発行してもらうのにお金がかかります。

手数料は査定額から引かれているケースが大半

手数料や費用を見て「こんなにもお金がかかってるの?」と驚く人もいるかもしれません。車の査定額が数万円だったら手数料だけでマイナスになるような気がしますよね。実際に提示される買取金額は査定額から手数料が差し引かれているケースが大半です。

買取金額=査定額ー手数料

査定額が50万円で手数料が2万円なら、買取金額は48万円です。ただし、すべての業者がこのような計算に基づいた買取金額を提示しているとは限りません。査定してもらい買取金額が提示されたときには、手数料が含まれているのかを確認してください。

また、買い取りに必要な書類を用意するための費用は、自分で負担しなくてはいけません。数百円ですので買取金額に比べれば小さなものですが、戸籍の附票や戸籍謄本は本籍地でしか発行できません。発行手数料だけでなく郵送料もかかります。

査定料などは基本的に無料

買取金額は査定額から手数料を差し引いたものとご紹介しましたが、大手買取業者はほとんどのケースでこの手数料を無料としています。業者ごとに車買取にかかる費用をどう取り扱っているのか見ていきましょう。

ガリバー

  • 査定無料
  • 売却の手続き無料
  • 代車の貸し出し無料

ビッグモーター

  • 査定無料
  • 代車の貸し出し無料
  • 引き取り有料

アップル

  • 査定から買取りまで手続きを含め費用は一切不要
  • ※不動車の引取りや廃車を必要とする車両など特別な場合を除く

ラビット

  • 査定無料
  • 手数料無料

カーセブン

  • 査定無料
  • 名義変更無料

ユーポス

  • 査定無料
  • 出張無料
  • 代車無料
  • 引き取り無料
  • 名義変更、所有権解除等の手続き無料

カーチス

  • 査定無料
  • 出張無料

T-UP

  • 査定無料
  • 名義変更、所有権解除等の手続き無料

いずれも査定は無料で、正確な記載がされていないケースもありますが、原則として手続きにかかる費用も無料です。ただし、ビッグモーターのみ車の引き取りに費用が発生します。この他にも有料となる買取店があるかもしれませんので、査定時に必ず確認してください。

大手は基本的に査定も手数料も無料となっていますが、実際に契約に至らなかった査定も含めて経費と考え、これらの費用をすべて考慮したうえで査定額を提示しています。

すでにご紹介しましたように「買取金額=査定額ー手数料」ですので、大手の場合は手数料ゼロならお得に見えますが、査定額がすでに手数料を差し引いたものになっていますので、得をしているわけではないということを頭に入れておきましょう。

無料で注意したい2つのポイント

手数料無料、査定無料となっているケースでも気をつけたいポイントが2つあります。

無料とあっても注意したいポイント2つ
  1. 査定のみは有料となることもある
  2. キャンセルで手数料が発生することもある

大手であれば売却に結びつかなくても査定は無料としていますが、それほど大きくない買取店や一部のディーラーでは査定のみの依頼ですと有料になるケースがあります。査定無料となっていても「売らない場合はお金がかかりますか?」と聞いておいてください。

また、手数料はすべて無料となっていても、契約して車を引き渡したあとにキャンセルですると、それまでにかかった費用を請求されることがあります。査定費や出張費、名義変更の手続費用など、無料だと思っていたものまでキャンセル料に含まれるケースもあります。

キャンセルを実際にするかどうかは別として、契約時には必ずキャンセル可能な日数と、キャンセル料としていくら払わなければいけないか確認しておきましょう。

まとめ

車買取における手数料や費用の基本的な考え方について、詳しく説明してきましたが理解できたでしょうか。最後に重要なポイントだけまとめておきます。

この記事のまとめ
  • 査定から買い取りまでには様々な費用が発生している
  • 通常は査定額から手数料を差し引いた金額が買金額として提示される
  • 大手買取店では査定も手数料も原則無料
  • 無料だと思っていたものに費用が発生することもある

査定から買い取りまでは様々な費用が発生し、買取金額は査定額からそれらの費用を差し引いたものが提示されます。大手買取店の場合は査定も書類手続きも無料になっていますが、実際にはそれらの経費を考慮した査定額になっています。

また、契約にいたらなかったから費用が発生するケースや、キャンセル後にそれまでにかかった手数料を請求されることもあります。無料という言葉につられて安易に利用すると、トラブルの原因になります。無料サービスを利用するときには、どこまでが無料なのかをきちんと事前に確認しておきましょう。