車査定・買取

走行距離と車買取額の関係は?

通勤などで車を使っていると、1年間でかなりの走行距離になってしまいますよね。そのような車を買い取りしてもらうとき、走行距離がどれくらい影響を与えるのか気になるかと思います。想定している以上に査定に響くようですと、廃車になるまで乗り続けようとする人もいるかもしれません。

  • 走行距離は査定額にどれくらい影響する?
  • 走行距離以外にも査定に影響を与える項目がある?
  • 過走行車を高値で売る方法はある?

ここではそんな疑問を解決するために、走行距離が車買取の査定にどのような影響を与えているのかを分かりやすく説明します。この記事を読むことで、走行距離と査定額の関係が分かり、過走行車でも高値で売れるようになります。

車買取で走行距離はどう影響する?

中古車を買うときには走行距離は必ずチェックする項目のひとつですし、金額が同じなら低走行車を選びますよね。中古車を購入する人が走行距離を意識しますので、もちろん買取店もそれを重要項目のひとつとして、しっかりと査定されます。

走行距離の査定方法としては次の2つの基準があります。

それぞれの基準がどのように車買取に影響するのか、詳しく見ていきましょう。

年式に見合った走行距離であること

車買取での走行距離基準は「1年=1万キロ」です。これ以上走っているとマイナス査定になり、これ以下ですとプラス査定になります。ちなみに「1年=1万キロ」は、公平な査定を推進しているJAAI(日本自動車査定協会)が定めたものです。

標準的な車は1年間に1万キロ走っているという基準をもとに、低走行車は状態がいい車として高く評価され、過走行車は走り過ぎだとして評価が下がります。実際にどれくらい買取価格に影響が出ているのか見ていきましょう。

ホンダ オデッセイ
年式:2015年式
グレード:G 7人乗

10,000km:171.0万円
20,000km:155.4万円
30,000km:146.3万円
40,000km:139.8万円
50,000km:134.8万円
60,000km:130.7万円
70,000km:127.2万円
80,000km:124.2万円

参考:ナビクル(オデッセイの買取価格)
(2018年7月12日現在)

2015年製造のオデッセイですので、経過年数は約3年半です。このときの標準的な走行距離は3.5万キロです。この買取価格から分かるのは、低走行車がかなり高い評価をされるということです。1万キロ短くなるごとに10万円前後も査定額がアップします。

一方で3.5万キロ以上の走行では、1万キロごとに3〜5万円下がるだけです。過走行車はマイナス査定になるものの、どれだけ過走行であるかはそれほど大きく影響しません。

もちろん車種によっても変わってきますが、基本的にはどの車でも同じような傾向にあります。走行距離は短いほど査定額ではプラスに働きますが、過走行車になると走行距離以外の査定ポイントが重視されます。どのようなポイントが査定に影響するのかは後ほど詳しく説明します。

10万キロを超えていないこと

走行距離が標準よりも短い車であれば、査定ではプラスに評価されますが、走行距離はもうひとつ別の物差しで評価に影響を与えます。それは走行距離が10万キロを超えているかどうかということです。

日本車はきちんとメンテナンスをすれば、20万キロくらい走れると言われていますが、いまのように車がしっかりと作られていなかった時代には、10万キロというのが車の寿命とされていました。そのころの名残があるため、中古車市場では10万キロ以上走った車のニーズはほとんどありません。

このため、1年間に9千キロしか走っていない低走行車でも、12年乗っていれば10.8万キロの走行距離になるためほとんど値段が付きません。10万キロを超えるといきなり価値が下がるのではなく、10万キロまでの残り距離が短くなるにつれて、査定額が下がっていきます。

1年あたりの走行距離だけでなく、総走行距離も査定に影響しますので、売却はできるだけ先送りすることなく、総走行距離が増えていく前に売ってしまいましょう。

車買取で査定額に影響するポイント5つ

車買取で走行距離が査定額に影響するのは理解してもらえたかとおもいますが、査定額を決めるポイントは他にもいくつかあります。その代表的なものが次の5点です。

査定額が決まる5つのポイント
  1. 走行距離
  2. 車種自体の需要
  3. 修復歴・事故歴
  4. 年式
  5. 車内外の状態

なぜこれらが重要視されるのか気になりますよね。それぞれのポイントについて個別に分かりやすく説明していきます。

走行距離

あらためて説明する必要はないかと思いますが、査定においてやはり大きな影響を与えているのが走行距離です。走行距離が長くなると、それだけ車は寿命が近づいてきます。車自体の寿命は20万キロ、中古車市場における寿命は10万キロです。走行距離が1キロ増えるたびに、その寿命が近づきますので、走行距離が長い車は敬遠されます。

ただし、最近では海外への販路を持っている買取店が増えてきましたので、過走行車でも以前のように価値がゼロというようなことは減っています。海外では日本車の人気が高く、10万キロ以上走った車でもすぐに売れてしまいます。

このため、買取業者によってはかなりの高値を付けてくれることもあります。どのようにして、海外に販路のある業者を見つければいいのかについては、「走行距離が多い車でも高く売る方法」にて、詳しく説明します。

プラス査定になる条件

  • 1年間に1万キロ以下走行

マイナス査定になる条件

  • 1年間に1万キロ以上走行

車種自体の需要

当たり前のことですが、人気のある車種は高く売れます。ただ、実際に売る側になるとこの視点を忘れがちです。「300万円もした車だから高く売れるはず」と思っていても、不人気車種だった場合には、思ったような値段がつかないことがよくあります。

反対に人気の高い車種の場合は、査定額もアップします。プリウスやハスラーなど、あまりにも人気が上がって新車が品薄状態になり、中古車の販売価格が新車とほぼ変わらないというような時期もありました。中古車価格が高くなりますので、もちろん買取価格もアップします。

それらは極端な例ですが、車種による人気は査定額に間違いなく影響します。ただ、手元の車を高額査定の期待できる人気車種に交換できるわけではありませんので、「そういうこともある」くらいに考えておきましょう。

プラス査定になる条件

  • 人気車種

マイナス査定になる条件

  • 不人気車種

修復歴・事故歴

走行距離や車種よりも査定額に影響があるのが、修復歴の有無です。事故を起こして修理をした車は、安全面での問題を抱えることになってしまいます。このため、事故歴のある車は中古車市場でかなりの不人気車として扱われるため、査定額も大幅に下げられます。

正確には事故歴のある車ではなく修復歴のある車だけが評価が下がります。事故を起こしていても車の骨格部分を修理していなければ、マイナス評価にはなりません。例えば事故によってバンパーに傷が入って交換したとしても、それは修復歴には含まれません。

買取業者もそのことを分かっていますが、安く買い叩くために修復歴のない事故車に対して、不当な査定額を提示することがあります。このような業者に売ってしまわないように注意してください。

また、査定額が下がるからといって修復歴を隠すのは絶対にやめましょう。査定をすればほぼ見つかりますし、仮に見つからなくても、後から発覚すると損害賠償請求される可能性があります。修復歴は隠すことなく正直に伝えるようにしましょう。

年式

同じグレードであれば、古いモデルほど査定額は安くなります。特にモデルチェンジをした前後では旧モデルの価格が一気に下がることもあります。ただし、型式は走行距離や車種ほど査定額には影響を与えません。一般的には1年毎に30%前後買取額が下がると考えてください。

200万円の車は1年型落ちすると140万円、さらに1年経過すると98万円というように、徐々に価値が下がっていき、最終的に7年以上経過するとほぼ価値がないと判断されます。これは車の法定耐用年数が6年(軽自動車は4年)となっていることも影響します。

実際には6年経過したくらいでは問題なく動いていますが、資産としての価値がゼロですので、中古車市場でもよほどの人気車種でないと売れません。車を売るなら遅くとも5〜6年以内に売るようにしましょう。

プラス査定になる条件

  • 年式が新しい車

マイナス査定になる条件

  • 年式が古い
  • モデルチェンジ前の年式
  • 新車から7年以上経過

車内外の状態

車の査定で最も時間をかけて行うのが外観や内装のチェックです。ただし、このような見た目の状態というのは、査定においてはそれほど重要視されません。時間をかけて行っているのでとても重要だと思われがちですが、チェック項目が多いだけで査定への影響は多くありません。

もちろん目立つような傷がある場合や、タイヤが磨り減っているケースなどではマイナス査定されます。喫煙車でタバコの匂いがしたり、内装が黄ばんでいたりする車なども中古車としての価値が下がるため、マイナス査定となります。

プラス査定になる条件

  • タイヤの溝が十分に残っている

マイナス査定になる条件

  • 目立つような傷や凹みがある
  • タイヤの溝が浅い
  • 喫煙車

ここまで査定のポイントを紹介してきましたが、過走行車は高価買取を諦めなければいけないのでしょうか?実はそんなことはなく、過走行車でも高く売る方法はあるのです。その方法について次章で詳しく説明していきます。

走行距離が多い車でも高く売る方法

走行距離が車買取での査定に大きな影響を与えることを理解できても、いまさら走行距離を減らすことはできませんよね。ときどきメーターを巻き戻したり、交換したりする人もいますが、走行距離は自動車検査証に記載されていますので意味がありません。

それでは、過走行車は安く手放すしかないのでしょうか?二束三文の査定額がつけられても受け入れるしかないのでしょうか?実は過走行車でもまだ諦める必要はありません。査定額は低走行車と同じとは言えないものの、想定よりも高値で売ることはできます。

過走行車を高く売る3つのポイント
  • 海外に販路を持っている買取店で売る
  • 複数の業者に査定してもらう
  • 車一括査定サービスを利用する

走行距離が長い車を売る方法はこの3つです。それぞれの方法について、高く売るためのポイントを説明していきます。

海外に販路を持っている買取店で売る

過走行車は海外なら売れるということはすでにご紹介した通りです。このため、売却先は海外にネットワークを持っている業者が理想です。売れそうにないと思っていた車でも、思わぬ高値がつくこともあります。間違っても国内にしか販路のないディーラーなどで、下取りに出したりはしないように気をつけましょう。

大手の買取業者であれば、そのほとんどが海外に販路を持っています。買取専門店が強い理由はここにもあるのです。

複数の業者に査定してもらう

海外に販路のある買取店でも、できれば安く買って高く売りたいというのが本音です。このため、1社に絞って査定依頼をすると足元を見られた査定をされる可能性があります。これを回避する方法が複数の業者による相見積もりです。

4〜5社くらいに査定をしてもらうと、業者同士で競い合って査定額を上げてくれます。安値を提示すると他社に売られてしまうので、どうしても買い取りたい場合には、相場以上の査定額を出すしかありませんので、自然と高値で売却できるというわけです。

車一括査定サービスを利用する

複数の業者に査定依頼するのが理想と言われても、海外に販路のある買取店を4〜5社も探すのは大変ですよね。査定依頼をするのも時間がかかります。ある程度中古車業界の知識があれば、いずれも大変ではありませんが、初めて車を買い取りしてもらうという場合にはハードルがかなり高めです。

そのハードルを一気に押し下げてくれるサービスが車一括査定です。このサービスを利用すると、1度の申込みで最大10社前後の業者にまとめて査定依頼ができます。業者を自分で探す必要がなく、申し込みにも手間がかかりません。

しかも相見積もり前提ですので、どの業者も高値を提示してくれます。走行距離が多い車でも人気車種なら驚くような金額を提示してもらえることもあります。手間を掛けずに高値で愛車を売れる車一括査定サービス。少しでも高く車を売りたい人におすすめです。

まとめ

車の走行距離が査定額にどのような影響を与えるのか説明してきました。これによって、自分の車の走行距離がプラス査定になるのか、マイナス査定になるのか判断できるようになっているはずです。車買取における走行距離について、以下にカンタンにまとめておきます。

この記事のまとめ
  • 1年間に1万キロが標準の走行距離で、それ以上の距離は過走行車となる
  • 総走行距離が10万キロ以上の車も査定額が大幅に下がる
  • 走行距離以外にも車種や年式、修理歴の有無、外観や内装の状態も査定に影響する
  • 過走行車は海外に販路のある買取店で高く売る

1年間で平均1万キロ以上走っている車は過走行車として、査定額が下がります。また10万キロ以上走っている場合は、中古車市場での価値がほとんどないため、買い取りでもほとんど値段が付きません。

この他にも、査定額に影響するポイントがいくつかありますが、車の価格は「走行距離・車種・年式」でほぼ決まります。この3点に対してこまかく査定していきますが、通常使用をしていれば査定額が大きく下がることはありません。

このため走行距離は査定の中でもとても重要なポイントになりますが、走行距離を減らすことはできませんので、そのような車でも高く買い取りしてくれる業者に査定してもらいましょう。1社ではなく4〜5社くらい査定依頼して、業者同士に競い合ってもらうのが高値買い取りのポイントです。

自分で業者を見つけきれない人や、最低依頼を簡素化したいという人は、車一括査定サービスの利用がおすすめです。申し込みが短時間で終わり、さらには相場以上の買取額を期待できます。このようなサービスを上手に活用して、長く乗った愛車に高い査定学をつけてもらいましょう。