トヨタカローラの独走を止めた車として、今でも多くの人が愛車に選んでいるホンダのフィット。ただ、3代目の登場以降はあまりいい話がなく、販売台数が伸び悩んでいる車でもあります。そうなってくると、これから買い替えを考えている人は現在の買取相場が気になりますよね。
- フィットはどれくらいの値段で売れるの?
- 売却するならいつがベスト?
- これから買取相場はどう変化しそう?
- 少しでも高く買い取りしてもらうにはどうすればいい?
ここではそんな疑問を解決するために、フィットの買取相場と高額査定を引き出すポイントについてご紹介します。これから売却を検討する人が読むことで、いつが売りどきなのかが分かり、満足度の高い値段で買い取りしてもらえるようになります。
フィットの買取相場
ホンダのフィットは2001年に初代が発売された5ドアハッチバックのコンパクトカーです。2007年に2代目、2013年に3代目が発売され、初代と2代目は日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど、ホンダの車種の中でも特に知名度の高い1台です。
知名度が高い一方で3代目はリコールが相次いだことで、ホンダのモノづくりへの姿勢が問われる車となってしまいました。ここではそんなフィットの買取相場がどれくらいなのか、年式とグレードごとにご紹介します。
2015年式・走行距離3万キロのフィット買取相場
- グレード:13G
- グレード:15XL
- グレード:RS
買取価格:57.0万円
買取価格:84.8万円
買取価格:108.7万円
フィットは13Gの新車価格が142万円であることを考えると、3年落ちで57万円というのはかなり厳しい結果になっています。15XLも半値以下で、人気が高いRSでなんとか満足できる相場価格になっています。
フィットは中古車市場での数も多い割には、これといった特徴のない車でもあります。このため、中古車として再販するときに「安い」以外の魅力を出せないため、買取価格が低くなる傾向にあります。
2013年式・走行距離5万キロのフィット買取相場
- グレード:13G
- グレード:15X
- グレード:RS
買取価格:35.3万円
買取価格:46.3万円
買取価格:85.8万円
フィットは5年落ちで100万円以上も価値が落ちてしまいます。売却益を頭金にして買い替えを考えているのであれば、これ以上の下落は困りますので、5年5万キロくらいで売るようにしましょう。これ以上乗るのであれば、値段がつかないことも覚悟しておきましょう。
ただし、RSは5年落ちでもまだまだ高値で買い取りしてもらえます。元値が高いというのもありますが、あと1〜2年くらいは乗り続けても50万円くらいの値段はつく可能性があります。
2010年式・走行距離8万キロのフィット買取相場
- グレード:G
- グレード:L
- グレード:RS
- グレード:X
買取価格:10.9万円
買取価格:14.1万円
買取価格:38.3万円
買取価格:14.1万円
2010年式は2代目ですので、一気に買取相場が落ちます。RSグレード以外はすべて10万円台ですので、新車を購入するときのオプション代くらいにしかなりません。ここまで下がってしまうと、急いで売る必要はありません。後ほどご紹介する、高値で買い取りしてもらうコツを参考にして、少しでも高く売るようにしましょう。
2008年式・走行距離10万キロのフィット買取相場
- グレード:G
- グレード:L
- グレード:RS
買取価格:7.8万円
買取価格:8.7万円
買取価格:17.0万円
10年落ちになるとRSでも17万円にしかなりません。他のグレードは10万円以下が相場ですので、車の状態がいいのであれば、壊れるまで乗り続けるというのも選択肢のひとつになります。フィットならしっかりメンテンスをすれば、20万キロくらいまで運転可能です。
どうしても売らなければいけない場合を除いて、廃車になるくらいまで乗るということも考えてください。ちなみに中古車市場ではよく売れる車種ですので、不動車になっても買い取りしてくれるお店もあります。手放すときには、不動車の買い取りを積極的にしているお店に売りましょう。
フィットの直近の買取実績
上記でご紹介したフィットの相場は、買取価格の平均値です。このため、実際に査定してもらうと、思ったよりも値段がつかないということもあります。ここでは、実際に店舗での買い取りをしたときに、どのような値段がついているのか、その実績をご紹介します。
年式:2015年式
走行距離:3万キロ
グレード:RS
買取価格:65.1万円
年式:2013年式
走行距離:5万キロ
グレード: 13G
買取価格:22.8万円
年式:2010年式
走行距離:7万キロ
グレード: G
買取価格:5.8万円
ランダムに抽出した結果ですが、いずれも相場以下の価格になります。車は走行距離や年式だけでなく、状態がいいのかどうかということも査定額に影響します。しかも細かなエディションもあり、フィットの場合には、マニュアル車などもあります。
1台ごとにオプション品の有無なども違いますので、買取相場はあくまでも参考値として頭に入れておきましょう。「この値段で売れないのはおかしい」という人もいますが、車の状態が悪ければ、相場以下になることもあるのだと覚えておいてください。
買取相場と実績を紹介した上で、フィットの買取事情はどうなっているのかを次章で詳しく説明します。
ホンダのフィットは今後も買取相場の低迷が続く
ホンダのフィットは車好きでなくても誰もが知っている車種ですが、実はここ数年は人気が低迷しています。その理由のひとつが同じホンダのN-BOXの登場にあります。N-BOXは価格帯がフィットに近くてコンパクトなだけでなく、軽自動車ですのでランニングコストが安いという特徴があります。
このN-BOXが中古車市場に出回り始めたことで、新車だけでなく中古車でも人気に陰りが見えています。買取相場からも分かりますように、あっという間に買取価格が下がってしまい、8年落ちくらいになると、売らずに乗り続けたほうがいいという状態になっています。
ホンダもフィットよりもN-BOXの販売に力を入れていますので、この傾向はこれからも続くことが予想されます。しかもフィットは3代目の発売が2013年ですので、一般的なフルモデルチェンジのサイクルが6年だと考えると、2019年にはフルモデルチェンジの可能性があります。
フルモデルチェンジがあると、古いモデルの人気が下がりますので、それに合わせて買取価格も下落してしまいます。もちろんすぐに中古車市場に出てくるわけではありませんので、慌てる必要はありませんが、そもそも買取相場が低いことを考えると、できるだけ早めに手放すことをおすすめします。
フィット高価買取のコツ3選
フィットは人気に陰りがあるものの、安く買えることから中古車市場ではまだまだ取り引きの多い車です。ただ、買取価格もかなり抑えられているのは買取相場からも分かりますよね。そんなフィットを少しでも高く売るためのコツを3つご紹介します。
- 海外に販売ネットワークのある店舗で買い取りしてもらう
- 5年5万キロ以内で売却する
- 純正品がある場合には一緒に査定してもらう
フィットならではの高価買取のコツもありますので、それぞれ詳しく説明していきます。
1.海外に販売ネットワークのある店舗で買い取りしてもらう
フィットは安く買える中古車という位置づけになっているため、どうしても査定額は低めに設定されてしまいます。ただ、そのような位置づけになっているのは国内だけで、海外ではホンダの人気車ですので、中古でも乗りたいという人がたくさんいます。
輸出のコストを考えても海外のほうが高く売れる車ですので、売却先の候補としては、海外に販売ネットワークを持つ買取店を狙いましょう。
輸出先の国によっては輸入規制というルールによって、製造から何年以内の中古車しか輸入してはいけないという決まりがあります。このため、年式が古い場合は売却先の国が限られてしまいます。このため、高値を期待するなら、購入から4年〜4年半くらいまでに売るようにしてください。
ただし、すべての国に規制があるわけではありません。規制を考慮しても海外の方が値段のつきやすい車ですので、古くなって国内では売れないけど、まだ問題なく走っているようなフィットも、海外での再販ができるお店を狙いましょう。
2.5年5万キロ以内で売却する
買取相場からも分かりますように、フィットは5年落ちになると一気に査定額が下がります。車の寿命は10年10万キロという考え方が定着しているため、5万キロ走っているというのもあと5万キロしか走れないという印象になるためです。
1年1万キロで計算すると5年間乗れる車ということになりますが、これが6万キロ7万キロとなっていくと、中古車として乗れる期間が短くなります。
買い手はそういう走行距離の長い車を嫌います。フィットは中古車店にたくさん展示されていますので、わざわざそのような車を選ぶ必要もありません。そうなると販売店は値段を下げるしかなく、ただでさえ安い買取価格がさらに下がってしまいます。
高値で売って、買い替えをするための資金にしたいのであれば、5年もしくは5万キロを超えないタイミングで売却しましょう。もしすでに5年5万キロを超えているようでしたら、壊れるまで乗り続けて、壊れてから買い取りしてもらうという選択肢も頭に入れておきましょう。
3.純正品がある場合には一緒に査定してもらう
フィットはオプション品や社外のカスタムパーツがたくさん揃っている車です。エアロパーツやマフラー、アルミホイールなど、部品を交換して乗っている人も多いかと思います。ただ、それらのカスタムパーツは査定時にはマイナス評価になります。
車はノーマルの状態が最も安全性が高いとされていますので、できれば純正に戻してカスタマイズパーツは別で売るのが一番ですが、戻すときに高額な工賃がかかるようでしたら、カスタムパーツは付けたままにして、純正部品は添付する形で査定してもらいましょう。
特にディーラーの下取りや、ディーラー系の買取販売店などの場合は、純正部品の有無が査定に大きく響いてきます。純正部品を保管しているという人は、必ず一緒に査定してもらいましょう。
もし純正部品がなく、しかもかなりのカスタムをしている場合には、通常の買取店ではなく、カスタム車専門の買取店に査定してもらいましょう。カスタム車の専門店には、そのような状態の車を探している人が買いに来ますので、状態によっては高く評価してもらえます。
フィットを高く売るためには業者選びが重要
高値で売る方法のひとつとして、海外に販売ネットワークを持つお店に売るとご紹介しましたが、このように「どこに売るか」で買取価格は大きく変わってきます。でも、車業界に詳しくない人は、どこが高値買取をしてくれるか分かりませんよね。
そういう状態で高く売りたいのであれば、できるだけ多くのお店に査定してもらうことになります。近所の買取店を隈なく訪れて査定してもらえば、どこかで満足できる査定額を提示してもらえるはずです。ただ、むやみに何店舗もまわるのは効率がよくありません。
もっと効率的に高く買い取りしてくれる業者を見つける方法をご紹介します。
相見積もりは必ずする
複数の業者に査定依頼をするのであれば、依頼するときに「相見積もりです」と伝えておきましょう。これを言わない場合には、ほぼ間違いなく足元を見た査定額を提示されます。高値買取を宣言しているお店でも、利益を出すためには実際には安く買って高く売りたいわけです。
ところが相見積もりになったときに、安値を提示すると他社に奪われてしまいます。そうなると1円も利益になりませんので、必ず自社の出せるギリギリの金額を提示することになります。どの業者もそうしてきますので、高確率で相場以上の金額を引き出すことができるというわけです。
業者に申し訳ないなと思うかもしれませんが、1円でも高く売りたいなら、必ず相見積もりの状態にして査定してもらいましょう。
それがカンタンにできるのが車一括査定
相見積もりにすると高値になると説明しましたが、これだけではまだ非効率です。相見積もりの効果を出すには4〜5社くらいには査定してもらいたいところですが、それだけ持ち込みをするとなると2日くらいかかります。出張査定を依頼するにしても査定してもらう業者の数だけ、インターネットから情報入力をしなくてはいけません。
これらの手間が面倒になって相見積もりを断念する人もいるようですが、実はカンタンに相見積もりにできるサービスがあります。それが車一括査定サービスです。このサービスを利用すると、1回の申し込みで、複数の業者にまとめて査定依頼できます。
申込みの手間を省くことができ、さらには最初から相見積もり前提ですので、業者同士が勝手に競い合って高値を引き出すことができます。交渉が苦手な人でも、高値買取を期待できますので、このサービスを使わないのはもったいないですよね。
ちなみに、査定依頼したあとは通常の出張査定と同じです。1社ずつ個別に対応しなくてはいけませんので、10社に査定依頼とかすると大変です。欲を出しすぎず4〜5社くらいに抑えておきましょう。
まとめ
中古車市場で頻繁に取引されているフィット。このため人気が高く高値で買い取りしてもらえると思っている人も多いようですが、それは以前の話で、現在は思ったような買取価格にならない車のひとつです。
- N-BOXの登場により人気が落ちた
- 中古車市場で安く売られているから取り引きが多いだけ
- 高く売りたいなら海外に販売ネットワークを持つ店舗を狙う
- 走行距離が増えないうちに売る
- 相見積もりの状態にするため車一括査定を使う
フィットは人気車種だから高く売れるという考え方は一度忘れてください。確かに今でも人気の車ですが、その理由は安く買えるからというところにあります。このため、人気車種であっても、高値では売れない車だと考えてください。
そうはいっても、海外に販売ネットワークを持つお店に査定してもらったり、走行距離が増えないうち、5年5キロまでに売ったりできれば、満足できる査定額を出してもらえます。さらには車一括査定などを使って相見積もりにすれば、相場よりも高値になる可能性がアップします。
あまり高値にならないとはいえ、ここでご紹介した内容を駆使すれば、ディーラーの下取りよりも10万円以上高く売れる可能性もありますので、ぜひ参考にして納得の価格で買い取りしてもらいましょう。