車査定・買取

車売却にタイヤの状態は影響する?車を売る査定基準

車売却をしようとしたときに、車をチェックしていたら明らかにタイヤの溝が浅い。いたるところに亀裂が入っている。そういうとき、買取査定ではどのような影響が出るのでしょう。そのままにして査定を受けると大幅に減額されるのでしょうか?

  • 溝のないタイヤは査定でどう評価されるの?
  • そのままにせずに交換して査定を受けたほうが得する?
  • タイヤだけ別で売ることはできる?

ここではそんな疑問を解決するために、車売却時のタイヤの査定基準と損をしないための売却方法についてご紹介します。査定前にタイヤ交換したほうがいいのかどうかで迷っている人がこれを読むことで、損をすることなく愛車を高値で売ることができます。

タイヤが査定額に与える影響

車売却のときには部品ごとに査定が行われますが、タイヤが査定に与える影響はどれくらいあるのでしょう。溝がほとんどないような車はマイナス査定される?タイヤ交換したばかりで溝がしっかりあるとプラス査定になる?どんな評価をされるのか気になりますよね。

ここではまず車査定をするときに、タイヤがどのような基準で査定されるのか、その評価は査定額にどう影響するのかを説明します。

車査定はJAAIの基準によって行われる

車の査定は買取店がそれぞれ独自の査定方法を持っているのではなく、JAAI(日本自動車査定協会)の基準に従って車のチェックを行います。この基準があることで査定評価のバラツキを防ぐことができ、どの買取店で査定を受けても大きな差が出ないようになっています。

「でも買取価格はお店ごとに違うよね?」そう思うかもしれませんが、中古車本体の価値は買取店ごとに違います。例えばトヨタのプリウスを売却するとします。A社はプリウスが不足しているので100万円を査定基準価格に設定し、B社は軽自動車をメインに扱っているので80万円を査定基準価格に設定します。

この査定基準価格に対して、査定での評価が加わって実際の買取額が決まります。ボディに傷があればマイナス査定になり、純正のオプションがついていればプラス査定になります。この査定評価の部分が業者ごとに大きな違いが出ないように、JAAIによって基準が設定されています。

  • A社:査定基準価格100万円+査定評価マイナス5万円
  • B社:査定基準価格80万円+査定評価マイナス5万円

このように査定基準価格の違いが、買取価格に大きな影響を与えますが、査定による評価はどの業者でもそれほど大きな差にはならないようになっています。

査定に影響を与えるボーダーライン

車査定はJAAIの基準によって行われることは理解できたかと思いますが、それではタイヤの査定基準、そのボーダーラインはどこにあるのでしょう。タイヤの評価は次のように決められています。

車買取におけるタイヤの査定基準
  • 応急用タイヤ(標準)欠品:1本15点減点
  • スペアタイヤ欠品:16〜82点減点
  • タイヤの溝が1.6mm以下:9〜35点減点
  • タイヤの溝が5.0mm以上:2〜8点加点
  • タイヤ修理キット欠品の場合:15点減点
  • ひび割れ、亀裂、片べり、段べり等偏摩耗:サイズにより9〜35点減点

査定は点数で行われますが、10点で1万円程度と覚えておくと良いでしょう。車の種類によって多少の違いはあるものの、大体の車はこの基準に沿って査定が行われます。

タイヤそのものは、溝の深さとひび割れや亀裂の有無で評価されます。溝が1.6mm以下ですとマイナス評価になり、5mm以上ある場合はプラス評価です。この査定を1本ずつ行いますので、すり減りやすい前輪は減点されても、後輪の減点がないというようなケースもあります。

ボーダーライン以下の場合は交換して売った方が高く売れる?

ボーダーラインである溝の深さが1.6mm以下であったり、タイヤに亀裂などが入っていたりする場合はマイナス評価で査定額が下がってしまいます。減額されるくらいなら新品に交換して売ってしまったらお得なのでは?そう考える人もいますよね。

実際にお得なのかどうか計算しながら確認していきましょう。

先ほどのプリウスを例にしましょう。プリウスはスペアタイヤも応急用タイヤもなくタイヤ修理キットが装備されています。このタイヤ修理キットはきちんとあるとして、4本のタイヤの溝がすべて1.6mm以下とします。

標準の15インチですと1本あたり13点の減点です。1点につき1000円が目安ですので、4本でマイナス52点、5.2万円のマイナスになってしまいます。

減額:13点×4本×1000円=5.2万円

プリウスの新品タイヤは6000円くらいから売られていますので、4本で2.4万円かかります。タイヤ交換は1本1000円程度ですので4本で4000円。合わせて2.8万円です。さらにこれにプラス査定4点が4本分で1.6万円分が査定でプラスになります。

新品タイヤ:6000円/本
タイヤ交換:1000円/本
プラス査定:4点×4本=16点(1.6万円)

実質の出費:(6000円+1000円)×4本−1.6万円=1.2万円

インターネットの情報ですと、交換しても得しないとなっているのがほとんどですが、こうやってちゃんと計算すると、交換したほうが4万円もお得です。ただし、純正でないタイヤを交換する場合はプラス査定をされないケースもあります。

ディーラーで交換するとなると割高ですし、タイヤ交換などにかけた労力なども考えると、必ずしもお得とは言い切れません。どれくらい得するのかはケースバイケースで変わってきますので、必ず自分で計算してみてから判断してください。

タイヤの査定基準は上記の通りです、交換してから売るかどうかは、かける手間と得られるお金のバランスで決めるのが良いでしょう。次章では、タイヤだけ別で売ったらお得かどうかを検証していきます。

タイヤを別で売ったらお得になる?

溝がしっかりあるタイヤはプラス査定になりますが、1.6〜5mmの深さですとプラスにもマイナスにもなりません。もし車本体とは別にタイヤを別に売ったら、それはお得なのでしょうか?それとも損するのでしょうか?この章では、複数のケースに分けてお得かどうかを検証していきます。

社外アルミやタイヤはプラス査定になる?

まず車のタイヤを標準品から社外品に交換しているケースで考えてみましょう。タイヤは原則として社外品であっても評価は変わりません。業者によっては純正を好みますが、そもそも車メーカーがタイヤを作っているわけではありません。大事なのは溝の有無とタイヤの状態だけです。

一方のホイールは社外品がついている場合はマイナス評価になります。社外品は交換対応ですので1本あたり20〜47点の減点となります。4本ですので80〜188点ですので、1点1000円なら8万〜18.8万円もマイナスとなります。

ただし、オプション装備のタイヤの場合はプラス査定され、業者によっては社外品でもプラス査定をしてもらえます。もっとも減点のほうが大きいため、純正品でないと損をするわけですが、純正ホイールとタイヤがその差額よりも高く売れれば得するという計算になります。

例えば15インチのタイヤ4本をオプション品にしていたとします。車には5年乗ったとすれば、オプション品の加点は15点になります。減点は1本23点で、それが4本ですので92点。その差は77点になるため純正品のタイヤとホイールが7.7万円以上で売れればいいということになります。

残念ながら純正品のタイヤとホイールを、そんな高値で売れることはまずありません。これもケースバイケースで計算するしかありませんが、純正のホイールが手元にあるならガソリンスタンドなどで純正品に戻して査定を受けたほうがお得です。

取り外した社外品をプラス査定してくれない場合は、社外品のタイヤとホイールだけ別にして売ると少しだけお得になります。社外品のタイヤとホイールの価値次第ですが、1円でも高く売りたいのであれば、この方法がおすすめです。

タイヤだけ別で売りたいからタイヤなしで売りたい

次にタイヤだけを別で売ると得するかどうかを考えてみましょう。溝が1.6mm以下ならマイナス査定されますので、どうせ価値がないなら、外して売ったほうが得な気がしますよね。でも、ここで2つの問題が発生します。

  • 溝が1.6mm以下のタイヤは売れるのか?
  • タイヤがない車をどうやって売ればいいのか?

まず、溝が1.6mmを切っているタイヤは、車のタイヤとして再利用することはできません。このため廃タイヤ扱いになります。このため、外してしまっても処分料金がかかるだけで、損をするだけです

ネットオークションやフリマアプリで売るという方法もありますが、送料だけでもかなりの金額になりますので、二束三文の利益にしかなりません。労力を考えるとまったく旨味がありません。溝がないタイヤはそのままにして売るようにしましょう。

それでは溝がしっかりある場合はどうでしょう?溝が1.6〜5mmのタイヤを外すと、査定では3.6万〜14万円のマイナスです。それだけの値段で売れることはまずありません。5mm以上の溝がある場合でも、タイヤの元値以下の価値しかないため、まず間違いなく損します。

そう考えると、どんなタイヤであっても外して売るメリットはありません。ただ、事情があってタイヤを外して売らなければいけないことがあるかもしれません。そういうときタイヤのない車をどうやって売ればいいのでしょう。買取業者が用意してくれたりするのでしょうか?

タイヤだけ買取業者に用意してもらうことは可能?

タイヤがない車を査定してもらうときに、タイヤだけ買取業者に用意してもらうことは可能なのでしょうか?これは基本的には「可能」です。業者はタイヤを入荷すればいいだけですので、できない理由はありません。

ただし、査定をするためには車の動作確認が必要です。タイヤがない状態ですと完全な査定ができませんので、当然査定額が下がります。もし査定前にタイヤを取り付けるなら、その工賃を請求される可能性があります。

タイヤの溝がないだけなら、そのマイナス分だけで済みますが、査定時にタイヤがないとなると、様々なマイナス要因が積み重なります。タイヤを用意してもらうことは可能ですが、査定額は大幅に下がると考えておきましょう。

いま着いているタイヤをどうしても取り外さなければいけないのであれば、格安のタイヤに交換した上で査定を受けるようにしましょう。

このように、タイヤだけ別で売ろうとするとかなりの手間がかかる割にはあまり得しないことがわかります。特に車の買い替えに伴う売却であれば、売る車にかける手間は最低限にしたいはず。そこで次章では、タイヤが付いている車を少しでも高く売る方法を紹介していきます。

タイヤが付いている車を最も高く売る方法

それでは実際に車を売るにあたって、タイヤの状態ごとにどのようにすれば高値で売ることができるのかをケースごとにまとめてご紹介します。

社外品のタイヤやホイールを付けている人

  • タイヤ:社外品 ホイール:純正
  • この組み合わせの場合はそのまま査定を受けましょう

  • タイヤ:社外品 or 純正 ホイール:社外品
  • 純正品のホイールがある場合は、純正品に交換してください。社外品のホイールをプラス査定してもらえるか確認して、プラスにならないならホイールだけ別で売りましょう。純正品がない場合は、そのまま査定を受けてください。

純正タイヤをつけている人

純正タイヤを付けている場合はタイヤの溝が1.6mm以上あるなら、そのまま査定を受けましょう。溝が足りない場合は、新品に交換するときの費用と査定の減額を比較して、交換するかどうかを決めましょう。タイヤは純正であってもそうでなくても査定に大きく影響はしません。

ただ、買取業者によっては社外品のタイヤをNGとすることもありますので、できるだけ現在ついているタイヤと同じタイヤを選ぶようにしましょう。

マイナス査定になりそうなタイヤを付けている人

溝が明らかに浅い場合や、亀裂が入っているタイヤの場合も、減額がいくらくらいになるのかを計算して、交換するほうが得する場合にのみ新しいタイヤに換えてください。タイヤは1本につき9千〜3.5万円の減額ですので、その減額分で新品の購入もタイヤ交換も可能です。

新品タイヤを買う余裕がない場合には、きちんと溝のあるなら中古タイヤに交換しておくと、査定での大幅マイナスを逃れることができます。

これがタイヤが付いている車を最も高く売る方法です。タイヤをプラス査定の状態にしておくことも重要ですが、それ以上に車を高く売る方法を考えた方が賢明です。そのため、次章では車自体を高く売る方法を3つ紹介していきます。

車を高く売るコツ3選

タイヤの状態ごとにどう売ればいいか分かったかと思います。最後に、タイヤ以外の部分も含めて高額査定をしてもらうためのコツを3つご紹介します。

ディーラーよりも買取専門店で査定してもらう

車を買い替えするとき、ほとんどの人がディーラーに下取りしてもらうかと思いますが、これは車を高く売る上で1番避けたい売却方法です。手間がかからないというメリットはありますが、ディーラーは新車の販売がメインですので、買い取り(下取り)にはそれほど力をいれていません。

このため、下取りできなくても新車が売れさえすればいいので、確実に損をしないという金額までしか出してくれません。一般的にはかなり安値を提示されますので、それよりも中古車の売買で利益を出している買取専門店で査定してもらいましょう。

複数の買取店に見積依頼する

買取専門店で査定を受けるにしても、最初のほうに説明しましたように、業者ごとに査定基準価格が違います。このため高値で売るには複数の買取店に査定してもらう必要があります。いま乗っている車を欲しがっている業者が見つかれば、思わぬ高値がつくこともあります。

また、複数の業者に査定依頼をすることで相見積もりの形になります。業者はどうしても自社で買い取りしたいので、競い合うように高値を提示してくれます。1円でも高く売りたいのであれば、複数の買取店への見積依頼は必須です。

車一括査定なら手間を掛けずに高値で売れる

複数の買取店に依頼するのが必須でも、1社ごとに車の情報や個人情報を伝えていくのは大変です。ほとんどの業者がWEBから車の情報などを入力しますが、2〜3社くらい入力したら疲れ切って、「もういいや」となってしまいます。

その入力を楽にするのが車一括査定サービスです。このサービスを利用すれば1回の入力で、10社くらいの業者にまとめて査定依頼できます。業者は最初から競合がいることを知っていますので、交渉することなく最初から高値を出してくれますので、確実に相場以上の価格で売ることができます。

社外品のタイヤやホイールに対する評価は業者ごとに違いますので、社外品を使っているという人は、できるだけ多くの業者に査定してもらい、高値を引き出してくれる業者を見つけてください。

まとめ

車売却時におけるタイヤの査定評価について説明してきましたが、自分の車のタイヤがどのような基準で評価され、マイナス評価の場合の対処方法も理解できたかと思います。ただ、多くの情報が一度に入ってきたので混乱している部分もあるかと思います。

この記事でご紹介した重要なポイントをまとめておきます。

この記事のまとめ
  • タイヤの溝が1.6mm以下だとマイナス評価
  • タイヤの溝が5mm以上だとプラス評価
  • 溝が1.6mm以下の場合は交換したほうが得になることもある
  • 社外品ホイールはマイナス評価なので純正品に交換しておく

様々なウェブサイトでタイヤを交換しても得しないという情報がありますが、きちんと計算すれば実は数万円得するケースもあります。最近はタイヤも標準品と同じものをネットショップで格安に購入できますし、ガソリンスタンドなら1本1000〜2000円程度で交換してくれます。

ディーラーで新品に交換するとかなりの費用がかかりますが、交換方法次第でいくらでもお得になりますので、必ず交換時の費用を算出した上で、お得になる方を選びましょう。

またタイヤは社外品(標準品以外)でもそれほどマイナス評価されませんが、ホイールはかなりの損になりますので、必ず標準品に戻しておきましょう。その社外品ホイールは業者ごとに評価が分かれますので、プラス査定にならないなら別にして売りましょう。

買い取りは車一括査定を活用すると、高値を引き出しやすくなります。ここでご紹介した内容を踏まえてしっかりと準備をした上で、車一括査定サービスを利用して高値で買い取りしてもらいましょう。