故障や事故で動かなくなった車。どうやって処分すればいいのか知っていますか?どうしていいのか分からずに、そのまま車庫に放置しているという人もいるかもしれませんが、実はその動かない車、買取してもらえます。
- どんな不動車でも買い取ってもらえるの?
- なぜそんな車に値段が付くの?
- 廃車する場合と比べるとどれくらいお得?
ここではそんな疑問を解決するために、動かない車の買取について詳しく説明しています。不動車の処分方法で困っている人が読むことで、損することなくその車を手放せるようになります。
動かない車でも「買取可能」
動かなくなった車にはもう価値がなく廃車するしかないと思っている人も多いようですが、下記のような車であれば実は買取可能です。
- 故障によって動かない車
- 水没して動かない車
- 車検切れで法的に動かせない車
- 事故をして直していない車
これらはすべて買取可能な車です。「うちの車はまだ動くけどディーラーに査定してもらったら0円だと言われたのに、こんな状態でも本当に売れるの?」そう思う人もいるかもしれませんが、不動車には不動車なりの価値があります。
でも、どの業者でも価値があると判断してくれるわけではありません。ディーラーなどでは、0円どころか廃車費用を請求されることもあります。なぜそのようなことが起こるのか、そもそも動かない車にどのような価値があるのかについて、次章から詳しく説明していきます。
なんで動かない車でも買い取ってもらえるのか?
動かない車にも価値があるとお伝えしましたが、運転することも出来ない車にいったいどのような価値があり、なぜ買い取りしてもらえるのでしょう?ここではまず、不動車が買取対象になっている理由について説明します。
- 修理すれば動くこともあるから
- パーツに価値があるから
- 鉄くずとしても価値があるから
本章では、この理由を詳しく説明していきましょう。
修理すれば動くこともあるから
もし故障で車が動かなくなったのであれば、部品を交換するだけで元に戻る可能性があります。人気車種なら部品も中古で購入できますので、修理に数万円かけるだけで普通の車として中古車市場に出すことができます。場合によってはバッテリーを替えただけで動く車もあります。
買い取りをするときは不動車ですので、かなり安く引き取ることができますが、これが動くとなると数十万円で売却できることもあります。走行距離の短い車や人気車種を修理すれば、10倍以上の値段で売れることもありますので、不動車は業者にしてみればお宝のようなものなのです。
このように修理すれば動く車は、まだ車としての価値があります。特に人気の高い車の場合は思わぬ高値がつくこともあります。
パーツに価値があるから
修理しても買い手が見つからないような動かない車でも、もちろん買い手は必ず見つかります。それは車を構成するパーツに価値があるためです。中古部品として人気のあるものとして、下記のようなものが挙げられます。
- カーナビ
- ホイール
- タイヤ
- エンジン
- サスペンション
- シート
中古でも欲しいという人がいるパーツはこれ以外にもまだまだあります。カーナビなどは、それほど古いものでなければ中古市場では2〜3万円で売ることができますし、デザインのいいアルミホイールならもっと高値が付きます。
動かなくなって10年も放置している場合は別として、つい最近まで乗っていたような不動車であれば、部品単体としてのニーズがありますので、業者はそれらを売却することを目的に買い取りしてくれるというわけです。
鉄くずとしても価値があるから
動かない上に部品取りにもできないようなボロ車。さすがにこうなると売れないだろうと思うかもしれませんが、そんな状態でもまだまだ価値があります。なぜなら、動かない車は鉄やアルミなどの金属の塊だからです。
金属というのはこの地球上に無限にある資源ではありません。鉱山などから取り続けるといずれなくなってしまいます。このため、使わなくなった金属はリサイクルして再利用します。ということは金属には資源としての価値があり、その重さに応じた値段が付きます。
鉄スクラップの価格は常に変化していますが、1kgで30円くらいの値段にはなります。車に使われている鉄を500kgだとすると、鉄スクラップとしては15,000円で売れるということです。車のサイズによっては2〜3万円くらいの値段がつくこともあります。
これが動かない車でも買い取ってもらえる3つの理由です。この他にも、事故車で動かない車でも買取可能なので、その理由を次章で紹介します。
事故車で動かない場合も買取できる
鉄スクラップになってもまだ売れるのが車ですので、もちろん事故車で動かないという場合でも買い取りしてもらえます。実際に「事故車 買取」で検索してみると、検索結果にたくさんの業者の名前を見つけることができます。
動かない事故車はフレームなどの骨格が壊れている可能性がありますので、この場合は修理をしても修理歴車となってしまい、中古市場でもなかなか買い手が見つかりません。ただし、海外に持っていくとそれなりの値段が付くこともあります。
アジア諸国やアフリカなどでは日本車の人気が高く、中古車でもいいから乗りたいという人がたくさんいます。修理歴車であってもきちんと動くなら、安く買えてお得と考える人もいます。このため、事故車でもまだ比較的新しく、なおかつ直せば動く状態であればもちろん売れます。
さらに車が新しければ部品取りとしても高い価値があります。事故車のほとんどが部分損傷ですので、使い回しのできる部品がいくつもあります。事故車を2〜3台集めれば、状態のいい1台を作ることもできますので、部品取り車として人気があります。
部品を取ったあとは、言うまでもなくスクラップとしての価値があります。修理できなくても、このように2度美味しいのが事故車の魅力です。事故車ですとすぐに廃車を思い浮かべますが、廃車はお金を取られるのに、買い取りならお金をもらえます。
それでは廃車と買い取りでどれくらいの金額差が発生するのでしょう?次章では、廃車費用をご紹介し、買い取りと比べてどれくらい損なのかについて説明します。
廃車にするのはもったいない!廃車費用はこんなにかかる
動かない車を廃車する場合、その手続きや解体作業などに費用が発生します。業者ごとにその費用は違いますが、ディーラーで廃車をするときの費用相場は次のようになります。
ディーラーの廃車費用相場
- 引取費用:1〜3万円
- 解体費用:2〜3万円
- 書類手続代行費用:1万〜2万円
車を動かすことができませんので、引き取るにはレッカー車が必要です。レッカー車の費用は車の保管場所とディーラーまでの距離が長いほど高くなり、一般的には2万円程度の出費を考えておく必要があります。
これに加えて解体費用が発生します。リサイクル料金をすでに払っているのに解体費用がかかるの?そう思う人もいるかもしれませんが、リサイクル料金は解体したときのゴミを捨てるのにかかる費用で、解体費用は別に支払わなくてはいけません。
さらに、廃車するには陸運局で抹消登録を行わなくてはいけません。陸運局は平日しか対応してもらえませんので、その手続きをディーラーに依頼するケースがほとんどですが、その手続き代行費用として1万〜2万円発生します。
これらをすべて合わせると最大で8万円もかかります。安く抑えられても4万円は支払わなくてはいけません。買い取りならスクラップにしても数万円もらえるのに、廃車の場合は4万円以上支払うことになります。明らかに廃車は損していますよね。
不動車でも0円保証で査定してくれる業者もありますので、買い取りなら少なくとも引き取ってもらうのにお金を払う必要はありません。無駄にお金を払いたくないのであれば廃車ではなく売却を選びましょう。
動かない車は自宅まで取りに来てくれるの?
動かない車でも買い取りしてもらえることは分かったとしても、いったいどうやって査定から引き取りまでしてもらえるのか分からず不安が残りますよね。でも安心してください。不動車を専門に取り扱っている業者のほとんどが積載車を持っています。
しかもその引き取り費用を無料にしている業者もありますので、業者のホームページで確認しておきましょう。車の保管場所が、業者の対応範囲内なのかも合わせて確認しておいてください。業者によっては離島でも買い取りしてくれることもありますが、小さな業者の場合は遠くまで引き取りに来てくれません。
査定は出張査定をしてもらえますので、車が動かなくても問題ありません。ただし、引き取り前提で出張査定を行う業者もありますので、他社にも査定をしてもらいたいという場合には、あらかじめそのことを伝えておくと不要なトラブルを回避できます。
動かない車を売る際に必要なものや書類
動かない車を売却するときでも、もちろん書類が必要です。動かないとはいえ、廃車手続きが終わるまでは車として扱われますので、売却するときには所有権移転のための手続きが必要になります。このため、通常の売却と同じように次の書類を用意してください。
- 自動車検査証(車検証)
- 印鑑登録証明書
- 自賠責保険証明書
- 自動車納税証明書・軽自動車納税証明書
- 実印(軽自動車は認印可)
- リサイクル券(預託済みの場合)
- 譲渡証明書
- 委任状
- 自動車検査証記入申請書(軽自動車のみ)
これらの書類がない場合には売却できませんので、すべて揃えておきましょう。また、自動車検査証と印鑑登録証明書の住所や氏名が一致しない場合は、下記の書類を用意しましょう。
- 住所の移転が1回だけ:住民票
- 住所の移転が複数回:戸籍の附票または住民票の除票
- 結婚などで名字が変わった:戸籍謄本
売却に必要な書類をなくした場合
上記の書類のうち、譲渡証明書、委任状、自動車検査証記入申請書の3点は業者が用意しますので、手元になくてもかまいません。他の書類に関してはすべて揃っていないと車を売ることができません。でも何年も放置している場合は、書類を紛失していることもありますよね。
そういう場合は、下記場所で書類の再発行をしてもらいましょう。
- 自動車検査証(普通車):車のナンバーを管轄している運輸支局
- 自動車検査証(軽自動車):軽自動車検査協会事務所
- 自賠責保険証明書:加入している保険会社
- 自動車納税証明書:都道府県税事務所
- 軽自動車納税証明書:市区町村の役場
- リサイクル券:自動車リサイクルシステムホームページ
印鑑登録証明書は市役所などの役場で出してもらえますが、実印を紛失した場合には旧実印の紛失届を出して、新しい印鑑を登録してください。
書類は査定前に揃えておこう
必要な書類の一覧からも分かりますように、車の売却は思った以上にきちんとした手続きが必要です。書類がたった1枚足りなかったり、登録されている住所が違っていたりするだけで買い取りしてもらえません。
車を売る段階になってそれに気づいても、書類によっては入手するのに1〜2週間もかかってしまうこともあります。すぐに手放す必要がある場合、書類に不備があって時間がかかってしまうのは困りますよね。
必要書類は出来るだけ査定をしてもらう前にすべて揃えてください。足りないものがある場合は、すぐに再発行してもらい、万全の状態で査定してもらいましょう。
まとめ
動かない車はもう廃車しかないと思っていた人も、お金を払うどころかお金をもらって手放せるということを理解してもらえたかと思います。あやうくディーラーで廃車手続きをしそうになっていた人もいるかも知れませんが、ここまで読めば、どう処分すればいいか分かりましたよね。
ただ、たくさんの情報を一度にお伝えしたので、重要なポイントが頭から抜け落ちているかもしれません。最後にポイントだけまとめて説明します。
- 動かない車も部品取り車としての価値がある
- 部品取り車にもならない車でも鉄スクラップとしての価値がある
- 廃車すると4万〜8万円くらい費用が発生する
- 不動車でも通常の売却と同じように書類が必要
繰り返しになりますが、どんな状態の車でも売れないということはありません。水没車も事故車もすべて鉄スクラップとしての価値がありますので、専門の業者に査定してもらえれば、少なくとも1円も払わずに引き取ってもらえます。
新しい車であれば部品取り車になりますし、動かない原因がそれほど大事でなければ、修理して海外に売却されることもあります。このため、思った以上の値段がつくこともありますので、まずは査定してもらうことが重要です。
ディーラーなどで廃車手続きをしてもらう場合は、反対にお金を支払わなくてはいけません。売ればお金になるものを、わざわざお金を払って引き取ってもらうのはもったいないですよね。特別な理由がない限り廃車ではなく売却を選びましょう。
売却の際には不動車といえども通常の売却と同じように書類を揃えておきましょう。査定時に書類を用意しておけばスムーズに売却のための契約を進められます。書類によっては発行に1〜2週間かかることもありますので、売却を決めた段階ですぐに書類が揃っているのか確認しておきましょう。