車査定・買取

車売るなら下取りと買取どちらがお得?

車の買い替えを検討中に、ディーラーで新車をチェックしていると「いま乗っている車を下取りさせてもらえれば、かなりお値引きできますよ」と言われた経験のある人は少なくないはず。車の状態によっては数十万円の値引きがあったりしますので、これはお得と飛びつく人も多いようです。

でもテレビやラジオのCMでは「下取りよりも高値で買い取り」と流れていますので、どうするのが本当にお得なのか混乱してしまいますよね。こんな疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか?

  • 本当にお得なのは下取りと買取のどっち?
  • それぞれの違いはどこにあるの?
  • どうすれば損をせずに中古車の売却ができる?

ここではそんな疑問を解決するために、中古車の下取りと買い取りの違いに関する基本的な考え方と、どうすれば損せずに買い替えができるのかについてご紹介します。ディーラーに下取りの話をされたけど、本当にお得かどうかで悩んでいるなら、この記事を読むことで最適な買い替え方法がわかります。

車の下取りと買取の違いを知らないと損をする

車を売る時には、大きく分けて2つの方法があります。それが下取りと買い取りです。この2点は車を引き取ってもらえるという点では同じですが、その流れや査定額、メリットやデメリットなどが異なります。

意外と知られていないのですが、何も考えずにディーラーで売却すると、買取店と較べて数十万円以上の価格差が出ることもあります。数十万円も違いがあると、新しく購入する車の購入費用を抑えることができますし、高機能なオプションを付けるけることもできますよね。

「でもそういう高値をつけてもらうには、専門知識が必要なんでしょ?」そう思うかもしれませんが、特別に難しいことを知る必要はありません。ここでご紹介した内容を頭に入れておくだけで、損せずに買い替えできますので、まずはひと通り目を通してください。

車の下取りと買取はどう違う?

それではまず、両者の違いについて見ていきましょう。それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるのかも含めて説明します。

下取りと買い取りの違い

下取りとは買い替えを行うときに、新しい車を購入するお店で、これまで乗っていた車を引き取ってもらうことを言います。ディーラーなどで新車を購入する際に、よく利用される買い替え方法のひとつです。

一方の買い取りとは新車購入を行う店とは別の買取専門店などで売却することを言います。言葉だけでは少し分かりにくいので、それぞれの流れを見ながらその違いを見ていきましょう。

下取りの流れ
  1. 販売店Aで欲しい車を検討する
  2. 販売店Aでこれまで乗っていた車の査定をしてもらう
  3. 新車代金から査定額を引いた金額を支払う
  4. 新車納品のタイミングで販売店Aに古い車を引き渡し
買い取りの流れ
  1. 販売店Aで欲しい車を検討する
  2. 買取店Bでこれまで乗っていた車の査定をしてもらう
  3. 買取店Bで売却
  4. 販売店Aで新車代金の支払い
  5. 新車納品

買い取りの1~3は順序が入れ替わることもありますが、全体的な流れとしてはこのようになります。買取店を1社だけにせずに、複数社で査定をしてもらうこともあります。

下取りは1社だけで完結しますので、取り引きそのものはとてもスムーズに行なえます。買い取りは買取店Bが出てきますので、最低でも2社と同時に話を進めなくてはいけません。仕組みとしての違いはこれくらいです。

車下取りのメリット・デメリット

それでは次に下取りのメリットとデメリットについて見ていきましょう。取り引きがスムーズに行える以外にもメリットがあるのでしょうか?

【メリット】

  • 手続きがシンプルで楽に買い替えができる
  • 新車の値引き交渉がしやすくなる
  • 不人気車種でも値段がつくこともある
  • 車のない期間がない

【デメリット】

  • 査定額は買い取りよりも低くなることが多い
  • 純正部品以外はマイナス査定になる
  • 下取り額はすべて新車購入代金に充てられる

メリットとデメリットはこのようになっています。新車と引き換えで今まで乗っていた車をディーラーに引き渡すので、納車まで今までの車に乗り続けることができます。また新車の値引きの代わりに下取り価格を上乗せして調整してくれることがあるので、不人気車種でも思いがけない高額査定となることもあるようです。続いて、買取のメリットとデメリットも紹介していきます。

車買取のメリット・デメリット

買い取りのメリットとデメリットについても見ていきましょう。手続きがやや複雑になる以外にもデメリットがあるのでしょうか?そしてそれを上回るメリットはどこにあるのでしょう。

【メリット】

  • 買取価格が高くなる傾向にある
  • 相見積もりの形にすることで高値を提示してもらえる
  • 故障車でも値段がつくこともある
  • 社外品のオプションパーツに値段がつくこともある
  • 手にしたお金を自由に使える

【デメリット】

  • 手間と時間がかかる
  • 一括査定サイトを使うとたくさんの電話がかかってくる
  • 車を売却してから新車納品まで車のない期間がある

買取の1番のメリットは高く売れるということです。複数の業者と相見積もりをすればどんどん値段が上がっていくので、下取りとの差が数十万円になることも珍しくありません。ただし、買取業者は1日も早く車を欲しがるのですぐに手放さないといけないというデメリットがあります。新車が来るまで移動手段に困ってしまうというケースもあります。この場合は新車の納車日を買取店に伝え、代車を用意してもらうなどの対応をしてもらいましょう。

下取りと買取はどんな人に向いている?

上記のメリットデメリットを踏まえた上で、どのような人が下取りに向いていて、どのような人が買い取りに向いているのかについて説明します。

下取りが向いている人

下取りが向いているのは、下記3つのタイプの人たちです。

  1. 車の買い替えに労力をかけたくない
  2. 付き合いのあるディーラーとの関係を重視したい
  3. 車がない期間があると困る

仕事がとても忙しくて、休日もなく働いているというような人は、買い替えをするのにできるだけ時間をかけたくありませんよね。お金を払ってでも時間を買いたいというような人や、お金にそれほど執着のないという人も下取りが向いています。

また、これまでずっとディーラーとの関係を築いてきた人は、その関係を維持するためにも、金銭的な面での損があっても下取りがおすすめです。ディーラーと良い関係を築けているなら、何かと便宜を図ってもらえることも多いはずです。そこには金額には見えないメリットがあります。

もっと実用的な面ですと、買い替えの場合はどうしても手放してから納車までの期間が発生します。通勤や業務などで毎日車を使っている場合は、車がない時期があると困りますよね。車のない期間が1日でも短いほうがいいという人に向いています。

買取が向いている人

  1. 1円でも高く売却するために手間も時間も惜しまない
  2. 新車の購入を急いでいない
  3. なんでも自分で経験してみたい

買い取りが向いているのは、手間と時間をかけてでも高値で売却したいという人です。数十万円も高い額で売れることもありますので、多少の手間をかけてでもお得に買い替えをしたい人はこちらを選びましょう。

週末ドライバーで、平日はほとんど車に乗らないという人も買い取りがおすすめです。車が手元にない期間が少しくらい長くても、その期間はレンタカーを借りればいいだけですし、ディーラーで新車購入すれば、納車まで代車を借りることも出来ます。

下取りと比較すると、どうしても面倒な手続きが増えてしまいますが、それも含めて何でも自分で経験してみたいという人も、買い取りが向いています。普段は接することのない業界の人たちとのやりとりが楽しいと思える人は、買い取りはとてもいい経験になるはずです。

車下取り価格はどう決まる?

下取りは買い取りと比べて低い金額になる傾向にあるとご紹介しましたが、そもそも下取りの価格はどうやって決まるのでしょう?なぜ金額的に下がってしまうのでしょう?価格を決める要因は次の2点です。

  • 中古車価格相場
  • 車の状態

引き取った車は、動くものであれば最終的に中古車として再販されます。この中古車には新車のような定価はありませんが、価格相場があります。例えば2014年モデルのプリウスは150万~170万円くらいが中古車の販売価格になっています。

もちろんグレードや走行距離などによっても左右されますので、一概には言えませんが、どの車種でも中古車として販売するときの価格はほぼ決まっています。どの形での売却であっても、この金額をベースに価格を決定します。

もし2014年モデルのプリウスを引き取って、中古車として150万円で売れると判断したとします。そこから自社の利益を30万円、再販のためのメンテナンス費用を20万円かかるのであれば、下取りの価格は100万円ということになります。

ところが、車の状態が悪い場合にはメンテナンス費用が追加で発生するため、価格は100万円から下げられてしまいます。例えば標準装備のホイールを、社外品のアルミホイールなどに変えていると、それを元に戻すための費用が発生します。

そのまま社外品を付けて売ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、社外品に交換されていると、安全性の保証ができなくなります。このため、ディーラーとしてはそのままの状態では販売することができません。

安全だと分かっていても、ディーラーという立場から、どうしても標準状態での再販が基本となってしまいます。ディーラーによってはブレーキパッドが標準でないだけで改造車と判断され、下取り価格が下がることもあります。

ところが、買取専門店はそれほど堅苦しくありません。むしろそのような社外品がついているほうが高値で再販できることもありますので、純正品でなくてもその価値を含めて値段を提示してくれます。その結果、買取専門店の方が高額で買い取りしてくれることになるというわけです。

このように下取りをしてもらうと、基本的には買い取りよりも損をします。それ以外にも実は損をしてしまう理由がありますので、それについては次章で説明します。

下取りは新車購入の値引きに使われることが多い

下取りは新車購入時の値引き交渉で使われることもよくあります。新車は値引きできる金額が決まっていますので、「もっと値段を下げて欲しい」と言われたときに、「値引きはできませんが下取り額を10万円アップします」というような交渉を行います。

どんな形であれ、10万円アップできれば得しているのですから、それで良さそうに思えます。でも実はここにカラクリがあります。値引き交渉があることはディーラーにしてみれば想定内ですので、最初から金額を低めに提示します。

100万円の価値がある車を90万円で下取りすると言っておけば、交渉時に10万円分アップする余裕ができます。ちょっとズルいように思えますが、そのカラクリを知らなければ「10万円も得した」と思うわけです。そして多くの人が、実際に得したつもりでディーラーに売ってしまいます。

もちろん、交渉結果によっては実際に新車を安く買えるケースもあります。その場合はもちろん下取りを使うのもありですが、よほど人気のない車でもない限り、あまり考えられないケースです。「そういうこともある」くらいに覚えておきましょう。

それではどうすれば一番お得なのでしょう。どうすれば損をせずに新車を手に入れることができるのか次章で説明します。

新車購入はディーラー、売るのは買取店が一番お得

1円でもお得に買い替えをしたいと思うなら、新車購入と車の売却はそれぞれ別に行いましょう。

新車購入 ディーラー
売却 買取店

この組み合わせにすることで、高値買取と新車の値引きの両方で恩恵を受けることができます。買取店の中でも自社での中古車販売を行っているケースでは、通常の買取店よりも高額で買い取りをしてもらえます。すでに説明しましたように数十万円の差が出ることもあります。

さらに、新車の購入時には限界までディーラーで値引きを受けることができます。下取りする車がありませんので、「買取額を10万円アップします」というようなことができません。このため、ディーラーは正直な値引きに応じてもらえます。

このように、両者を上手に組み合わせることで、お得に車の買い替えが可能になります。ただし、この組み合わせが確実にお得になるわけではありません。本当に損をしていないかはきちんと各自で確認する必要がありますので、その確認方法をご紹介します。

車を買い換える際はトータルの支払額で決めよう

買い替えをするときには、目先の金額だけにとらわれず、総合的に得をしているのかどうかを判断する必要があります。ただし、難しく考える必要はありません。最終的にいくらで新車を購入できるのかを考えてください。

シンプルに下取り額+新車値引き額の合計と、買い取り額+新車値引き額の合計を比較して、その額が大きい方を選べばいいだけです。

ただし中古の買取額が20~30万円以下にしかならないような場合は、支払額の差は数万円くらいにしかなりません。その場合は手間と時間と利便性を考えて、ディーラーでの下取りを選ぶという考え方もあります。そのあたりは、柔軟な考えで状況に合わせて決めるようにしましょう。

まとめ

車の買い替えで下取りと買い替えで、どちらが得なのかということについて説明してきましたが、一気に頭に入れたので、何が大切だったか忘れてしまったかもしれません。最後に復習の意味も込めて、重要なポイントに絞ってまとめておきます。

  • 下取りは手続きが楽でも金銭面では損をしやすい
  • 買い取りは手間と時間がかかる
  • 少しでも高値で売却したい人は買い取りがおすすめ
  • しっかり比較検討を行って最適な方法で売却する

新車を購入するお店で売却もできてしまう下取りは、とてもスムーズに買い替えができます。常に車のある生活が出来るなどのメリットもあります。ただし、1円でも高く売りたいと考えているのであれば、買取のほうが適しています。

買い取りは2社以上の業者と取り引きを行いますので、どうしても手間と時間がかかります。それでも一括査定サイトなどを利用すれば、ディーラーでは出せないような高額な価格で引き取ってもらえる可能性があります。

いずれも一長一短ありますので、どちらにするかを最初から決めるのではなく、様々な角度から比較を行うようにしてください。そのうえで、自分自身にとって満足度が高くなる買い替え方法を選ぶようにしましょう。