車下取り0円はありえない！状態が悪くても査定額がつく方法

車の買い替えでディーラーに下取りを打診したところ「車が古いので0円になります」と言われたことのある人いますよね。そんなものかと思って、提示された下取り額を受け入れる人もいるようですが、高額とは言えないまでもどんな車であっても必ず値段はつきます。

ここではそんな疑問を解決するために、車が下取り0円にならない理由と、車を損することなく手放す方法についてご紹介します。この記事を読むことで、0円査定を提示された人でも、きちんとした値段をつけてもらったうえで、愛車を売却できるようになります。

車下取りが0円というのは基本的にありえない

ディーラーで車の買い替えをするときに、これまで乗っていた車は下取りに出す人が多いかと思います。ところが担当者に「1円の価値もないので0円で引き取ります。うちで買い替えてくれるなら廃車費用はいりません」と言われることがあります。

廃車費用が無料になるだけいいかなと思って、腑に落ちないもののそのまま下取りしてもらった経験のある人もいますよね。でも、どんな車にもその状態に応じた価値があります。例えば事故で大破した車でも無価値にはなりません。

ではディーラーの担当者は騙そうとしているのでしょうか？ディーラーによっては騙すようなことをするかもしれませんが、これは立場の違いによるもので「どんな車にも価値があるけど、誰にとっても価値があるわけではない」ということを、まず頭にいれてください。

ディーラーの仕事は新車を売ることです。新しい車を買ってもらって初めて利益を出すことができます。修理や車検なども行っていますが、それらも購入してもらうからできるわけで、とにかく車を売ることに注力します。

このため、下取りした車を使って積極的に利益を出そうとはしません。人気車種なら自社系列の中古車販売店で売りますが、不人気車はオークションに出展して売り払ってしまいます。大きく儲けようと考えていませんので、修理してオークションに出すようなことはまずしません。

修理しないと売れない車なら、廃車したほうが手がかからずに良いと判断されてしまいます。下取りしてオークションで売れるような車でない限り、廃車をするための費用が発生しますので0円査定と提示されるというわけです。

つまり、ディーラーはその車の価値を正しく判断できないために0円査定となってしまうのです。どんな車にも0円以上の価値はあるので、それがどういうことか次章で詳しく解説していきましょう。

車はどんな状態でも価値がある

ディーラーにとって、オークションで売れないような車は価値が0円だと判断されますが、中古車の買い取りを専門にしている業者は、あの手この手を使って車から利益を出そうとします。ディーラーで価値がゼロでも、買取専門店にしてみれば大事な収益源です。同業他社に奪われると困りますので、適正な値段を付けてくれます。

それでは買取専門店にとって、再販が難しいような車のどこに価値があるのでしょう？ここでは中古車にどのような価値があるのかについてご紹介します。先に結論をお話すると、どんな車でも0円以上の価値があるのは以下の4つの理由があるからです。

故障車でも修理をすれば売ることができる

価値0円と判断される車の代表的なものが故障車です。事故などで変形した車や、エンジンやミッションにトラブルを抱えた車は、修理をしなければ中古車として再販できません。ただ、修理すれば再販できるわけですから、あまりお金をかけずに直せるなら、再販で利益を得ることができます。

10万円で買い取りした故障車を20万円かけて直し、40万円で売れば10万円の利益があります。人気車種ならもっと高値で売れることもあります。車の状態と再販時の価値にもよりますが、直せば売れる車ですと壊れていても高値がつきます。

修理歴車でも海外で再販できる

事故を起こしてフレームの修理をしているような車は修理歴車扱いになり、国内の中古車市場でほとんど価値がなくなります。このため、ディーラーは絶対に値段をつけませんが、海外に販路を持っている業者は海外での販売を視野に入れて買い取りします。

東南アジアやアフリカなどでは日本車の人気が高く、走行距離が10万キロを超えているような車でも中古車としてすぐに売れます。修理歴車の場合でも、それだけ安く購入できるならお得だと思って買う人がたくさんいます。

このため海外に販路のある業者なら、フレームの修理をしたような事故車でもまだまだ価値があると判断してもらえます。

部品取り車としての価値がある

事故などで大破した修理不可能な車でも、壊れた箇所が限定的なら部品取り車としての価値があります。カーナビやホイール、エンジン、サスペンション。正常に機能している部品はすべて、中古部品として売却できます。

ディーラーはそんな手間をかけてまで解体して部品を売るようなことをしませんが、買取業者にしてみれば宝の山のようなもので、解体して部品を売却します。カーナビなどは数万円で売ることもできますので、その利益は小さなものではありません。

古い車でも人気車種なら修理用に部品を必要としている人がたくさんいます。このため部品取り車としてのニーズの高い車は高値で売れることもあります。

鉄スクラップでも買取対象になる

動かないどころか雨ざらしの状態で放置して、サビだらけになった車でもまだ価値があります。車の部品は鉄やアルミなどの金属が使われています。金属はこの地球上にある限られた資源ですので、製品としての価値がなくなっても、リサイクル金属としての価値があります。

鉄スクラップなら1kgで20〜40円の値段で買い取りしてもらえます。車に使われている鉄の重さが700kgで鉄スクラップ相場が30円なら、21,000円の値が付きます。相場は常に変動していますが、0円になることはありませんので、どんな車でも数万円の価値はあるというわけです。

車の下取り0円と言われても税金などの返金がある

ちなみに車がまったくの無価値でも、本来なら税金や保険料の還付を受けられます。車を所有するために必要な税金と保険は下記の5種類です。

このうち自動車税と自動車重量税、そして自賠責保険料は車を下取りに出すことで還付されます。ただし、ディーラーによって返金されるケースと、そうでないケースに分かれます。ほとんどのディーラーではこの還付金を含めて査定額を提示するため、基本的には戻ってこないと考えてください。

仮に下取りした車を廃車するとします。

• 鉄スクラップ価格：2万円
• 還付金：2万円

この段階では合計4万円の価値がありますが、廃車手続きのために人が動きますので手数料が発生します。手数料は決まった金額があってないようなものですので、このケースで手数料を4万円に設定されると、「下取り0円」ができあがるというわけです。

このため0円査定と言われたときには、まずはきちんと明細書を出してもらいましょう。口頭で「0円」と言われてそれでOKとせずに、何にいくらかかっているのか、還付金の扱いがどうなっているのかをはっきりさせましょう。

明細書に還付金の項目がなければ「自動車税とか戻ってきますよね」と確認してください。税金の計算や手続きは面倒ですので、うやむやにしようとする業者も少なからずいます。税金などの還付金に関しては、担当者から納得できる説明をしてもらいましょう。

それでは実際に「0円」と言われてしまった時どうすればいいか、対処法を紹介していきます。

0円と言われてしまった時の対処法

それではもし0円査定をされてしまったら、どのように対処すれば良いのでしょう。その査定額で妥協せずに高値で売るための方法について説明します。査定0円と言われてしまった時は、以下の4つの対処法があります。

他のディーラーで買うと伝える

新車への買い替えを考えているのであれば、担当者に「納得ができないので他の販売店と比較してみる」と伝えてください。それだけで、ほとんどのケースで数万円の査定額アップがあるか、新車の値引き額をアップしてもらえます。

すでにご紹介しましたように、ディーラーは新車を売らないことには利益を出すことができません。ここで数万円をケチったことで、儲けるチャンスを失うわけですので、担当者は慌てて査定額を上げてくれます。

買取専門業者に査定してもらう

最終的にディーラーに下取りしてもらうにしても、できるだけ買取専門店にも査定してもらいましょう。買取専門店は様々な手法を駆使して、引き取った車から利益を出しますので、ディーラーよりも高値をつけてくれます。

ディーラーに1円の価値もないとされた車でも、10万円以上の値段をつけてくれる可能性があります。そこまで差があるのなら買取専門業者を使わない理由はありませんよね。買取相場を把握するためにも、買取専門業者の査定を受けてどれくらいの価値があるのかを教えてもらいましょう。

廃車買取専門業者に査定してもらう

車の状態があまりにも良くないのであれば、廃車買取専門業者に査定してもらうというのもひとつの方法です。ボロボロで動かない車の場合は積載車が必要になるため、ディーラーでも0円どころか廃車費用を請求してくることがあります。

ところが多くの廃車買取専門業者が0円以上を保証していますので、費用を請求されることはまずありません。しかも車の状態によっては数十万円の値段が付くこともありますので、ディーラーで廃車費用請求された場合は、廃車買取専門業者で査定してもらいましょう。

自分で廃車手続きをする

買い取りしてもらえる可能性がまったくないのであれば、自分で廃車手続きするという方法もあります。平日に運輸局に行く必要があり、手続きも面倒だというデメリットはありますが、廃車のための費用がかかりませんし、還付金も100％手元に戻ってきます。

ある程度の下調べはしなくてはいけませんが、廃車手続きをするための資格がいるわけでもありません。時間に余裕があるという人で、何でも自分でやってみたいという人なら、自分で廃車手続きをするというのも選択肢のひとつとして考えておきましょう。

車は高く売るために競合させたほうが良い

買取専門業者や廃車買取専門業者で査定してもらうにしても、高値を引き出したいのであれば複数社に見積もりを依頼するのが基本です。車の価値はそれぞれの立場によって変わりますので、同じ車を査定しても、業者ごとにその値段に違いが出ます。

いずれの業者もできることなら1円でも安く買い取りたいと考えていますが、競合他社があるとわかると、あまりに安値を提示すると他社に奪われてしまいます。他の会社に取られてしまうと、自社にとっては1円の利益にもなりません。

利益が多少減ったとしても、まずは買い取らないと経営が成り立ちませんので、どの業者も競合他社がある場合は、自社の出せる限界の金額を提示してくれます。その結果、相場以上の金額で車を手放すことができるというわけです。

このため、下取り0円と言われた車でも高値が付く可能性がありますので、必ず3〜4社に査定してもらいましょう。

車を高く売るなら「車一括査定」がオススメ

買取業者に査定してもらう場合、1社ずつ査定依頼するという方法もありますが、それですと業者ごとに車の情報や個人情報の入力作業をしなくてはいけません。実際に入力してみると分かりますが、とても面倒な作業で2社くらい入力したら「もういいかな」となってしまいます。

そこでおすすめなのが車一括査定を使った買い取りです。車一括査定がどのようなサービスなのか、どれくらい査定額が変わるのかについて見ていきましょう。

車一括査定とは

車一括査定は車の情報や個人情報をWEBサイトで1度入力するだけで、複数の買取業者に査定依頼できるサービスです。依頼できる数はサービス提供会社によって違いますが、一般的には最大10社に査定依頼できます。

査定依頼をしたあとは業者と1対1でやり取りをしますので、売りたい人と買い取りしたい業者をマッチングしてくれるサービスだと考えてください。

どれくらい査定額が変わるか

このサービスを利用すると、業者は競合相手がいることを前提にしますので、駆け引きや交渉をすることなく最初から高値を提示してくれます。車の状態によって査定額がどれくらい変わるかが違ってきますが、一般的にはディーラーの下取りよりも10万円以上高値で売れます。

このため、ディーラーで0円査定されたような車でも、車一括査定で売却したら10万円以上の値段が付くこともあります。サイトによっては故障車や事故車などを専門的に取り扱っている業者とも提携していますので、どこも値段を付けないということはほとんどありません。

どちらにしてもディーラーなら0円なわけで、場合によっては廃車費用を請求されるわけです。それならば、車一括査定を使って査定してもらっても損はありませんよね。もしかしたら10万円以上ももらえて、面倒な手続きも自分でせずに手放せるのですから利用しない理由はどこにもありません。

買い取りしてもらうときには、できるだけ買取店単体で査定してもらうのではなく、車一括査定サービスを活用しましょう。

まとめ

ディーラーなどでの下取りが0円になったとき、仕方ないかなと思ってそれを受け入れる人も多いようですが、実際にはどんな状態の車にも価値があり、値段がつかないなんてことはありません。ディーラーにとっては無価値でも、別の業者では宝の山である可能性があり、高値買取をしてもらえることもあります。

車は全く動かなくても、鉄などの金属資源としての価値があります。鉄スクラップなら2〜3万円くらいの値段になり、さらにそこに税金や保険の返還分が加わりますので、最低でも4〜5万円くらいの価値があります。

それらに加えて部品取り車としての価値や、修理して売却できる可能性を考えれば、0円で売ることがいかにもったいないことなのか分かりますよね。高く売りたいのなら車一括査定サイトを使って複数の買取専門店で査定してもらいましょう。

1円の価値もないとされた車が10万円くらいで売れることもあります。お金にこだわらないのであればディーラーで引き取ってもらうのもいいのですが、10万円をわざわざ溝に捨てる必要はありません。きちんと価値の分かる業者に査定をしてもらい、高値で引き取ってもらいましょう。